ビーエス リペアテクニカルノート


BGAリペア作業・生産工程での工法説明・対処手法コーナー

これまで、実装WEBセミナーとスキルアップwebレッスンとして展開していましたが、今回の
PCクラッシュ事故により、一からWEB復旧作業をしていく中でこのコーナーをひとつに
まとめて、テクニカルノートというタイトル変更をすることにしました。

今のところ基本線はこれまで通りの、実際に自分が関与した作業での対応手法やちょっと
した応用工法などの紹介で変わりませんが、リペア・はんだ付け以外の分野に関しての
内容もプラスしていきたいと考えています。
季節ネタですが、静電気対策の事例とか洗浄に関するものなどを想定しています。

新たに取扱いのアイテムや実装とは別の新分野での対応手法などについての更新も
順次入れて行こうと考えていますので、実装には関係なくても興味ある方は参照下さい。

公開できる限りのNG失敗事例なども、なぜNGとなったか?そのあたりを紹介していく
予定もあります。
事例によっては、実際の作業に参考に出来ることもあります。


その他 随時気になる事例が発生次第に取り上げていく予定です。追加更新分は以下
に順次更新していきますので、興味あれば参照ください。


テクニカルノート コーナメニュー
#T-1 簡易手順で 隣接部品保護 できるマスキング手法  更新済
#T-2 0402CHIPの部品交換、本当にやる?どこまでやる? 更新済
#T-3 アウトソーシングで実際にあること             更新済
#T-4 リペア交換作業にかかわる基本事項まとめ        更新済
#T-5 現状のリペア交換技術はどう進化したか?part1     更新済
#T-6 リペア交換作業で使える対処法              更新済
#T-7 基板クリーニング作業での進化                更新済
#T-余談編 凄いことになっている海外状況、両極端の装置などの話 更新済
#T-8 周辺技術も進化しなければ、生産技術力は向上しない 更新済
#T-9 印刷メタルマスクでのNG失敗事例             更新済
#T-10 失敗から学ぶ、こんなNGからどう改善するか?     更新済
#T-11 実装基板、作業各種現場への静電気対策に「手軽で、有効な」手段あります 更新済
#T-12 立体的な実装が含まれたPKGへの印刷工法について  更新済
#T-13 3Dプリンターや研磨加工製品などへの集塵対応について 更新済
#T-14 こんな対処もあり!はんだボールを使った応用工法   更新済
#T-15 リペア作業での部品搭載がもたらす影響         更新済
#T-16 異形部品(SMTコネクタ)交換の事例            更新済
#T-17 初歩から始める実装・・意外と教えてくれない話 その1 更新済
#T-18 実際の作業で発生した問題あれこれ・・・          更新済
#T-余談編2 自分のPCを分解したら、難易度高いDDR2基板があった・・ NEW




# T-余談編2 自分のPCを分解したら、難易度高いDDR2基板があった・・ NEW
 自分のPCダイナブックの裏面カバー取った

2000年に会社を起業してから19年の間に壊れた(ほぼHDDクラッシュ)ノートPCが3台
あって、どうしようかな??と処分に困っていたところ、朗報ともいうべき情報が届きました。

「東京オリンピックのメダルを都市鉱山で製作するため回収BOX」というものが区役所の
玄関わきに設置されていたので、もう速攻で!!渡りに船・・とばかりに回収BOXへと
運んだのでした。

とは言っても、業務で使用していたPCなのでデータそのままは嫌だな・・、そうだHDD外して
おこう!と思い立って、まずは背面パネルを外しにかかり、内臓HDD部のネジを緩めて静か
に取り外して終了。

これを3台分繰り返して回収BOXへと運びました。
まあ、そんな作業していると、よくある話で・・ついつい実装基板に興味が出てきて分解し
始めてしまうという「業界あるある」となってしまい、結構時間がかかってしまいました。

その中の1台が、某社ダイナブック(私としては最悪のOSビスタver)で、ひっくり返して
HDD部の裏蓋を外してHDDを取外し、ついその横の蓋パネルも気になってネジを緩めて
みると、そこはメモリ基板が2枚装着されていて、これがDDR2でした。

まあ、どうせ廃棄なのでこれは自分のテスト・練習用に保管しておこうと取外しておいたのが
コレです。
 DDR2メモリが2枚あった

いやらしい実装で両面同じ位置に9×11oのFBGAが実装されています。自分の経験から
言うと、本当に一番いやらしいものは、表面と裏面で微妙に半分ずつズレて実装されている
もので、これは加熱するとどうしようもなく影響が出ます。
成功率は限りなく低下するので、相当のレベルが必須でした。
 半分ずつズレた位置で両面実装されたメモリ基板

とは言っても、今回の両面同じ位置のDDR2実装も、充分に難しいので簡単ではありません
けどね・・。
 嘗めてかかると痛い目見る両面実装位置

こうした両面同じ位置に実装された小サイズ部品の場合、プロファイル測定時にも気が抜け
ないので、注意が相当必要になります。
(熱電対が入らない、入ってもそのままで基板クランプ出来ない・・などなど)

その反面、部品サイズが小さく基板も小さいので測定箇所はどこでも同じになるわけです。
それでも充分難易度は高く簡単ではないので、これを「簡単に出来ますよ・・」という方が
いたら、それは嘘つきです、簡単なはずがありませんから、リペア装置も 温度設定・流量
設定・加熱時のノズル位置・基板固定方法すべてが関わってくるので、どう考えても簡単
ではありません。


そして、基板をよーく見てみれば・・CMガンガン打って市場に広く売れている製品ですら
正常な・・とか信頼できる・・ということから外れた実装状態に見えてしまいます。
バンプ高さは一定ではなく、実装は傾いているし、はんだボールがつぶれたもの反対側は
ほぼ丸いままでかろうじて接続してるのかな??と言う状況のもの・・もう凄いもんです・・
これで良品なの??本当に??あくまでも私の個人的感想ですが・・。

これも「業界あるある」で、製品の中を見ると「うそだろ・・」というはんだ付けや接続部分など
多数あって、あまりに状態がひどいメーカーの製品は二度と買わないこともあるほどです。
 こんな実装でも出荷される、右端はかなり怪しい・・まだマシな方だけど



DDR2交換作業手順のおさらいと問題ポイント


対応手法で最初のハードルが基板固定、基板サイズも67.5×30.0oですから普通にクランプ
して固定が出来ません。しかもソケット反対側のFBGAは端部までおよそ0.8oしか余白が
無いので装置の固定部が邪魔してしまいます。

問題ポイント例
・基板固定の問題をどうするか? ⇒ 専用治具 または 何らかの簡易治具等が必須
・並列実装の2個について、隣接部は1o以下でほぼゼロに近い
 ⇒ 加熱設定と風量設定を最小限にする必要あり
・基板側への印刷は絶望的、部品側への印刷重視で部品の外形固定をしつつ印刷するようにマスク製作
・印刷開口径が極小であるため、抜け性が不安定になる恐れ ⇒ 使用ペースト粒径変更の必要も
 同時にスキージも極小幅に対応すべく専用品の調達も検討する
・加熱時の周辺状況の把握が必須、最小限の影響にとどめる工夫が必要
 隣の部品も簡単に熱伝導で溶融し、こんな感じでつぶれてしまうNGが出る


交換手順おさらい + 技術サポート例
1 交換か所の、プロファイル測定実施 + その際、無駄な台形プロファイルにこだわらず最短加熱優先
2 基板固定、リペア装置スタート+ その際、ノズル位置はPKG上ギリギリ、風量10-20L/min程度で調整
3 部品取外し後の基板ランドクリーニングに注意、極小ランドはウィックで剥ぎやすく特に慎重に注意すること
4 部品ボール部へのペースト印刷実施+ その際、確実に塗布できているか?目視チェック必須(かなりバラつく)
5 基板固定、リペア装置のビジョンシステムにて 位置決め ⇒ 搭載 ⇒ 再加熱(搭載時、部品軽く傾きやすい)
6 作業完了、検査してOKかNGか判断する


こうした流れと、細かな配慮で成功率と信頼性は上がっていきますから、雑にしないことが
重要です。
特に、この基板サイズで隣接実装も極狭位置にある部品なので、どうしても作業箇所以外
にも熱影響が出ます。
部品が傾いてしまうことが考えられるので、加熱温度と風量設定をギリギリまで絞り最短
加熱でピーク温度に到達するようにすることをおすすめします。
無駄に台形のプロファイルで5分とか・・かけると隣接・裏面の実装部にも必ず加熱伝導する
ので細かな注意必須です。(どんな部品でも台形プロファイルで長時間にこだわる方いますけど・・)


 真ん中に出っ張り、これでスタンドオフ決めているのか?

今回のDDR2、ここが部品構造として工夫しているところかな?と思ったポイントはPKG
中央部にある突起部分で、これにより物理的にスタンドオフを維持してボールがつぶれない
よう配慮しているのだと思いました。
但し、ペースト印刷量の不具合があると加熱後のボール形状が明確に違いが見えてくる
ので、印刷は丁寧に安定塗布しないとNG品になってしまいます。



次回予定  また気分次第で考えてみます・・・












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