ドラゴンヘッド  監督:飯田譲治 出演:妻夫木聡、SAYAKA、山田孝之

漫画ダイジェスト版
 望月峰太郎原作の同名漫画の映画化である。   まる。高校生の青木テル(妻夫木聡)らを載   さいとうたかをの「サバイバル」や楳図かずお

 彼の漫画は不思議と映像化が盛んで「バタア   せた新幹線は静岡辺りを通行中、原因不明の   の「漂流教室」を思い出すが、「ドラゴンヘッ
   
 シ金魚」「鮫肌男と桃尻女」は映画に「お茶   事故に合いトンネルの中に閉じ込められてし   ド」の特徴は何と言っても自分の内から広がる
 
 の間」はドラマ化されている。全体的にコミ   う。奇跡的に助かったテルは同じく一命を取   恐怖との折り合い、精神世界に他ならない。闇
 
 カルでキャラクターが立ってるのが特徴だろ   りとめた瀬戸アコ(SAYAKA)と高橋ノ   を恐れるあまり闇と同化しようとしたノブオの

 か。しかしその中で異色と言えるのがこの「   ブオ(山田孝之)と何とか生き延びる術を模   ペインティングが外せないのはそのためなのだ

 ドラゴンヘッド」だろう。世界と共に自分の   索するがノブオは広がる闇と恐怖に勝てず、   が、とにかく時間がないのかビジュアル先行で

 バランスが崩れ内なる恐怖と対面する人間の   ひとり己の中に逃げ込んでしまう。なんとか   申し合わせた様に物語りが進む。確かに原作が

 精神世界を描いた漫画で、自分を見つめ過ぎ   トンネルの中から逃げ出したテルとアコは外   売れているため、外せないプロットが多いのは

 ると落ち入りがちな世界でもある。       の世界が廃虚と化し一面が白い灰に包まれて   分かるのだが詰め込み過ぎのため、すべてのエ

 監督は飯田譲治。やっぱり未だに「NIGH   いる事を知る。絶望に打ちひしがれながらも   ピソードがダイジェスト版ようである。状況説

 HEAD」のイメージが強い。主演は妻夫木   帰るべき所、自分の家族が待つはずの東京を   明も少ないためか観客が感情移入する前に登場

 聡とSAYAKA。二人ともTVでの露出度   ただひたすら目指す二人。世界に一体何が起   人物が常にパニクっており、どうしても客観的
 
 は高いが映画出演はまだ少なく、ちょっと意   きたのだろうか?東京で二人を待つものとは   になってしまう。原作をなぞるのではなく、一

 外なキャスティングでもある。         絶望なのか希望なのか....         つのエイピソードを掘りさげ映画オリジナルの

 さて物語りは修学旅行中の新幹線の中から始   滅亡した世界に残された人々を描くと言えば   恐怖感を描いて欲しかったものだ@