エネミー・ライン     監督:ジョン・ムーアー 出演:オーウェン・ウィルソン、ジーン・ハックマン 

逃亡者とアメリカ万歳主義
 逃亡者平成版、そんな感じだろうか。弱っち   地のど真ん中に取り残されてしまう。はたし   にも露骨なアメリカ=正義という図式だろう。

 いがなかなかやられない。そんな主人公にエ   てクリスは無事、安全地域へたどり着く事が   最後のシーンでアメリカ軍が主人公を助けに現
   
 ールを送る映画である。舞台はまさに今、現   できるのだろうか...            われた時の音楽と言ったらなかった。今まで耐

 在。旧ユーゴスラビアの民族紛争、内戦の悲   この映画のポイントは何と言っても逃げる主   えに耐えてきたものが爆発。アメリカ軍はここ

 惨さや難しさを描いているのだが、もちろん   人公だろう。今までのありがちな映画のよう   ぞとばかりに撃ちまくりである。しかもためら

 アメリカが正義である事が大前提で描かれて   に主人公は戦う事を全くしない。ただひたす   いの欠片も見あたらない。かと思うとアメリカ

 いる。                    ら逃げるのみである。このひた向きな姿勢が   兵数名が流れ弾で軽傷を受けると大騒ぎと言っ

 物語は1人の軍人の出来心から始まる。主人   観客の同情を誘い気がつくと『危ない!クリ   た具合。テロの影響なのだろう、今まで以上に

 公の海軍大尉クリス(オーウェン・ウィルソ   ス!』『逃げて!クリス』と叫ぶ事になる。   善悪の区別をはっきりとしようとする意志があ

 ン)は平和維持のためとはいえ、偵察ばかり   どちらかと言えば弱い方の味方をしたくなる   ちらこちらにちりばめられている。アメリカ本

 の退屈な任務にあきあきの毎日。そしてクリ   日本人にはたまらないのではないだろうか?   国でこの映画はどんな評価を受けるのだろう?

 スはついに退役を決心し偵察に向かうのだが、  もう一つ定番として、命令にそむいても部下   善悪事はよく分からないが、どんな人間であれ

 ちょっとした出来心から予定の偵察コースを   を守る上司というのが出てくる。この辺は仁   拳銃の弾が当ると痛いらしい事は分かる@
 
 外れ飛行止区域へ入ってしまう。それを発見   侠の世界。万国共通のようだ。         

 したセルビア人民軍はミサイルでクリスの乗   戦争以外のシーン、追いかけっこなどは楽し   

 ったF/A−18戦闘機を攻撃、クリスは敵   く見れるのだが、やはり気になるのはあまり