子ぎつねヘレン


「Roadster in cinema」



2006年3月7日火曜日

子ぎつねヘレン」中村300エコ
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原作はキタキツネの生態調査第一人者、竹田津実著「子ぎつねヘレンがのこしたもの」で
これは実在した目と耳が不自由な子ぎつねとの日々を記したドキュメントもの。
で、この作品はその実話をもとにオリジナルストーリーを加えてある。
監督はフジテレビのドラマ、「じゃじゃ馬ならし」「振り返れば奴がいる」「白い巨塔」などの
演出を手がけた河野圭太。
出演は大沢たかお、松雪泰子、阿部サダヲとか。
ではストーリー
舞台は北海道、ある日の学校の帰り道
少年太一(深沢嵐)は道ばたにうずくまった子ぎつねを見つける。
しかしまわりに母ぎつねの姿はなく
どう見ても捨てきつねのようす。
その姿にカメラマンとして世界中を飛び回る母、律子(松雪泰子)に置いてかれた自分を重ね
思わず家に連れて帰ってしまう太一。
一方、律子の恋人で動物診療所の獣医、矢島(大沢たかお)は律子と結婚するつもりで
太一を預かっていたのだが
当然しっくり来ない毎日に悩んでいた。
と、そこへ目と耳が不自由な子ぎつねを連れた太一が帰ってくる。
「まるでヘレン・ケラーだな」の言葉に反応した太一は子ぎつねをヘレンと名付け
矢島の心配をよそに飼いたいと言い出すのだった。
なかなかミルクを飲まないヘレンに対し
あきらめず懸命に世話を続ける太一。
看病のかいあり少しずつ元気になるヘレン
そして太一を含めまわりにも変化があらわれはじめる...
限られた運命の中で必死に生きようとする子ぎつねと
それに習うかのように強くなろうとする少年の対比が描かれている。
描かれてはいるのだが
どちらかといえば少年の方が少し弱く
原因は回想シーンの介入によるテンポ悪化とクオリティの低下にありそう。
対して子ぎつねの方は単純にペットを飼った事のある人にとってはストレートに
ずるいとも思える構成でただ泣ける。
どうやっても心通じる事のない他人の死に直面した時
僕らが感じる後悔や自責の念。
でも繰り返される死に何か意味があるとすれば
それは残された人々の想いでしかなりえず
またそうでなければ
毎日が続かない。

「幸せでしたか?」自問自答に疲れた人にお勧め


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