めぐりあう時間たち  監督:スティーブン・ダルドリー 出演:ニコール・キッドマン、メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア

地味な受賞作
 主演のニコール・キッドマンがアカデミー賞   きていく様を「ダロウェイ夫人」という小説   い部分が目につくが、実はその間にあるふとし

 主演女優賞を受賞した作品である。       でつなげ同時進行で描いている。一人は作者   た日常に漂う虚無感が一番良かった。特にジュ
   
 原作はマイケル・カニンガムのベストセラー   ヴァージニアだが残りの二人は1951年の   リアン・ムーア演じる主婦ローラが何かを決心

 小説『THE HOURS めぐりあう時間   ロサンゼルス、妊娠中の主婦ローラ・ブラウ   し子供を預けホテルへ向かうシーンは世の中に
 
 たち 三人のダロウェイ夫人』。監督は映画   ン(ジュリアン・ムーア)と2001年のニュ  は止められない流れがある事や、自分の存在が

 ニ作目、「リトル・ダンサー」のスティーブ   ーヨーク、詩人である友人の編集者として働   あやふやになる瞬間が上手く出ていた。

 ン・ダルドリー。主演は付け鼻をつけてヴァ   くクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリー   脇を固める男優陣もなかなか豪華でエイズに冒

 ージニア・ウルフを演じるニコール・キッド   プ)である。三つのストーリーを同時に描く   され生きる気力をなくした作家リチャードを演

 マンで彼女は実在の人物である。映画でも度   となるとちょっと分かりにくくなりそうだが   じるエド・ハリス。ローラの夫をただ普通に演

 々出てきてキーワードとなる小説「ダロウェ   時間軸などはあまりいじられておらず、なに   じきったジョン・C・ライリー。シカゴの時と

 イ夫人」を書き、映画の最初のシーンにもあ   より切り換えのテンポが良くとても見やすく   なんら変わる事のない立ち姿が最高だ。

 るように1941年59才の時、入水自殺を   出来ていた。テーマとしては明確に「これだ   アカデミー賞受賞や豪華なキャストからすると

 している。映画でも少し触れられるが幼い頃   !」と強く打ち出している感じはないが、私   重く地味な出来の映画だが見終わると少しだけ
 
 母を亡くし異母兄から性的虐待を受けたため   達が生活の中で受ける生や死に対しての不安   日常が楽になる映画かもしれない@

 同性愛的傾向が強かったと言われている。    や疑問がやんわりと込められているように思   

 この映画は3人の女性がそれぞれの時代で生   えた。一見すると同性愛や自殺願望など激し