モンスター


「Roadster in cinema」



2004年11月25日木曜日

モンスター』中村400エコ
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アカデミー賞でシャーリーズ・セロンが最優秀主演女優賞を受賞した作品である。
共演はクリスティーナ・リッチ、
監督は長編デビュー作となる女流監督パティ・ジェンキンス。
シャーリーズ・セロンが13キロも体重を増やし
製作を買って出てまでも演じたかったアイリーン・ウォーノスとは
実在の人物でアメリカ初の女性連続殺人犯である。
不幸な環境で夢を見ながら落ちて行くアイリーンがシャーリーズ・セロンを惹きつけた理由は
彼女も幼い頃父親に暴力を受け
それを見かねた母親が父親を射殺するというショッキングな経験を持つためなのかもしれない。
ちょっと重すぎる事実を踏まえつつ
ではストーリー
1986年、ヒッチハイクをよそおい身体を売って日々をつないでいたアイリーンは
いつかここから抜けだせると信じていたが
その「いつか」が永遠に来ない事を確信しあきらめ死を決意する。
そんな時、バーで一人の少女セルビー(クリスティーナ・リッチ)に出会う。
彼女もまた親から同性愛の治療を強制され自分の居場所をなくしていた。
誰からも必要とされてなかった自分を受け入れ許してくれる人を見つけ
「一緒に暮らそう」と持ちかけるアイリーン。
そしてそのお金を作るためにまた道路に立つのだが
情け容赦ない運命はお客にレイプ魔を導き
アイリーンは生き延びる為殺人を犯してしまう。
そして偶然だったはずの殺人がセルビーとの暮らしのため次第に必然になって行く..
自殺まで決意したアイリーンが人殺しをしてまで生きたかった理由
それはセルビーへの愛に他ならないのだが
この「愛のために生きる」と
その愛をつなぎ止める為の術がアイリーンには殺人しかなかったこと
「環境が人をモンスターにする」
この二つがテーマとして描かれているようだ。
ただ「愛のために生きる」の方はアイリーン側の人を欲するところは伝わるものの
それがセルビーに向かう理由付けは少し弱く
もっと二人のエピソードだけでなくセルビー個人の抱える問題も掘り下げれば
彼女の純粋なる身勝手さも魅力的に写り
愛に生きるアイリーンにうまく入っていけたかもしれない。
一方「環境が人を〜」の方は
第三者の同情的な視点が比較的少なめは良いのだが
誰からどんな裁きや許しを受けようとも
自分で自分を許せなくなった時がモンスターが人して終われる瞬間であるはずが
事実が邪魔をしたのかちょっとタイミングがずれており
最後までアイリーンがつかめないまま終わってしまった。

誰かを救うなんて同じ罪を背負う事なのかも


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