息子の部屋     監督:ナンニ・モレッティー 出演:ナンニ・モレッティー、ラウラ・モランテ 

日常過ぎる出来事
 2001年のカンヌ映画祭でパルムドール賞   れバランスをくずしていく。そこに一通の手   アが亡くなる頃にはすっかり家族気分で悲しみ

 をとった作品である。前年のパルムドール、   紙が届く。亡くなったアンドレアのガールフ   にひたれてしまう。
   
 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に比べると   レンドからの手紙だ。妻のパオラはなにかに   この物語りは何も特別な話ではなく、普通に一

 話題性に欠けるのか、単館ミニシアターでひ   すがる一心で彼女に電話をするのだが...   般社会で日常的に起きている事だろう。そして

 っそりと上映されている。           息子アンドレアのガールフレンドとのやり取   誰もが主人公ジョバンニと同じように『あの時

 監督、主演はナンニ・モレッティー。自分の   りがメインかと思っていたが、実はそのシー   自分が...』と後悔と責任に悩まされるはず

 闘病生活を映画にしたり、イタリアの不安定   ンは意外に少ない。メインなのはアンドレア   である。映画の中で、そんな3人を救うのがア

 な政情を撮ったりと何かと本国では話題の人   が亡くなってからの残された3人の変化であ   ンドレアのガールフレンドだが、特別彼女が何

 のようだ。今までの作品のリストを見ると、   る。自分達はとんでもない状況に置かれてい   をするわけではない。微かに立ち直ってみせる

 日本では公開されていない物も多くあり日本   るはずなのに周りは日常は普通にやってくる。  だけだ。同じような悲しみを受けた者が立ち直

 での知名度はいまひとつだろうか。       なんとか対処しようとするのだが、ふとした   る姿を見ると勇気づけられるものなのだろう。

 物語りはもちろんイタリアが舞台。精神分析   瞬間いろんな事が今までのようにいかない事   明確な答えが、この映画にあるわけではないが

 医のジョバンニは妻と娘と息子の4人でごく   に気づく。「うまい」と言っては失礼かもし   ヒントのようなものはあるかもしれない。自分
 
 普通の生活をしていた。ところがある日、息   れないがアンドレアが亡くなるまで少し時間   を治すのは自分と言ったところか@

 子のアンドレアが事故で亡くなってしまう。   がある。この最初の数十分で観客はこの家族   

 その日を境に残された3人は後悔の念に苛ま   の生活にどっぷりつかってしまい、アンドレ