テイラー・オブ・パナマ     監督:ジョン・プアマン 出演:ピアース・ブロスナン、シェフリー・ラッシュ

アクションのないスパイ映画なんて
 主演はピアース・ブロスナン。言わずと知れ   がふとした事から罪を背負い、それを隠すた   ー・リー・カーティス)のおかげで最悪の事

 た5代目ジェームス・ボンドである。ジェー   めに次から次へと嘘をついてしまう。これは   態は免れたのだが、なんとアンディーは大金
   
 ムス・ボンドと言えばどんなピンチにも屈し   誰にでも心当たりのある事だと思うが、ハリ   を持ち逃げし海外へ逃亡。ピアース・ブロス

 ないタフガイで女性にもモテモテだが、今回   ー・ペンデルはこの心の葛藤をそこにいるは   ナンファン以外には後味の悪いエンディング

 演じる同じスパイのアンディ・オスナード。   ずのない人物、この場合ベニー祖父(ハロル   となっている。

 これがてんでダメ男なのだ。女とギャンプル   ド・ピンター)を作り上げ自問自答をくり返   スパイ物って事で007なみのアクションや

 で失敗し左遷されパナマへ飛ばされるのだが   す。しかしハリーのついた嘘を巧みに利用し   ギミックを期待していくと思いっきり転けて

 全く懲りる様子はなく、では仕事だけはさぞ   一儲けしようと企むアンチヒーローアンディ   しまう。ではパナマ運河にまつわる駆け引き

 できるのだろうと思うとたいした事はない。   はハリーをどんどん追い詰める。そしてハリ   にハラハラドキドキかと言うと、今一つパナ

 取り柄はないけど憎めないやつ。そんなキャ   ーのついた些細な嘘が国をも動かす大事件を   マ運河の重要性が分からずピンとこない。の

 ラを目指してるのかも知れないが、どう見て   引き起こすこととなる。「そりゃないだろう   こるのはピアース・ブロスナンがなぜモテる

 も憎まれ役である。反面、同情をいっぺんに   」的なブラックコメディーだが、自分の私利   のかという疑問。なにより今恐れているのは

 集めるのがシェフリー・ラッシュ演じるハリ   私欲にしか興味のない英国人スパイと戦争第   調子にのってシリーズ化しないでほしいとい
 
 ー・ペンデル。シェフリー・ラッシュと言え   一の愛国心の塊アメリカペンタゴン。この図   う事だけだ@

 ば「シャイン」を思い出すが、ここでも屈折   式は面白く映画館でもどっと笑いが出たシー   

 した役を見事に好演している。ある普通の人   ンだった。結局はハリーとその妻(ジェイミ