トーク・トゥー・ハー  監督:ペドロ・アルモドバル 出演:レオノール・ワトリング、ハビエル・カマラ

回るこぶし、昇華する愛
 アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞した作品   ドで寝たきりの生活を続け四年になる。そし   とか「気持ち悪い」とか悪評を受けつつ「純愛

 である。監督脚本はスペイン生まれのペドロ   て彼女の隣には一切の世話を引き受け献身的   だ」と指示を受ける理由でもある。まぁ普通に
   
 ・アルモドバル。前作「オール・アバウト・   に尽くす看護士ベニグノの姿がある。そんな   見ればベニグノはただのストーカーである。昏

 マイ・マザー」が有名だが見た事あるのは「   ある日、同じ病院に事故により昏睡状態陥っ   睡前からアリシアを追い掛け昏睡状態になると
 
 アクメ」と「キカ」ぐらいだろうか。両作の   た女闘牛士リディアが運びこまれる。彼女の   看護士をかって出て世話をしていたのだから。

 印象は色彩感覚に秀でており独創的で、一言   恋人であったマルコは途方に暮れるが同じ境   面白いのはそのストーカー行為がアリシアが目

 で言うなら変な映画だ。今作品は比較的現実   遇であるベニグノと知り合い励まされ交友を   覚める奇跡により昇華される事だろう。愚かな

 的で分かりやすいためかメディアでの評判も   深めると共に希望を取り戻す。そんな中ベニ   行いが奇跡を起こす、どこか寓話的にも感じる。

 良く、そうなると観客の感想が極端に分かれ   グノの献身的な愛がアリシアに奇跡と悲劇を   時折入るテロップや舞台劇、サイレント映画も

 る傾向にあるようだ。スペイン映画だけあっ   起こす。愛を貫く男の運命とは...      かなり寓話的効果に貢献している。全く違う物

 て出ている俳優陣も見慣れない顔が多いが、   さて一見きれいな純愛物語りに見えるが、ベ   語を挟む事でつながりを求め本編の行為自体が

 バレエ振付師役でチャールズ・チャップリン   ニグノの問題行為とは昏睡状態のアリシアを   薄れるためだ。しかしブラジルのトップミュー

 の娘、ジェラルディン・チャップリンが出て   レイプし妊娠させてしまう事である。結果、   ジシャン、カエターノ・ヴェローゾの歌と演奏
 
 いるのが面白い。               子供は死産するもののアリシアは昏睡から覚   は素晴らしかった。あの民謡を思わせるビブラ

 では問題のストーリーだが、バレリーナのア   め奇跡が起こるのだ。もちろんベニグノは牢   ートは魂を揺さぶる@

 リシアは交通事故により昏睡状態となりベッ   獄に入れられるわけだが、ここが「犯罪だ」