座頭市  監督:北野武 出演:ビートたけし、浅野忠信、柄本明

勝新へのオマージュ
 ベネチア国際映画祭で監督賞を受賞した作品   て殺陣など監督自ら積極的に指導し撮ったよ   ようで無理に時代劇の枠をくずそうと仕掛けを

 である。『座頭市』といえば言わずと知れた   うだ。さてこの映画、ストーリーにはさほど   増やすため、その間が間延びし全体的なつなが
   
 勝新太郎主演の時代劇。一見盲目の按摩さん   意味がないように感じる。一応メインは旅芸   りが弱くなっている。しかし、ここまでエンタ
 
 が実は居合斬りの達人でバッタバッタと悪を   人の仇討ちを支援する座頭市と病気の妻を抱   ーテイメントにこだわって撮った理由はなんだ
 
 斬り倒すのを思い出すが、もちろんそのリメ   えお金のために悪徳商人の用心棒をしている   ろう。それは恐らく勝新太郎の座頭市に対する

 イクである。しかしちょっと見れば分かるが   浪人との対決なのだが、途中には日本舞踊あ   オマージュではないだろうか。あくまでこれは

 いきなり座頭市は金髪で全く違うものだと気   りタップダンスありで全体的にエンターテイ   北野武アレンジの座頭市なのだと笑いが起こる

 づく。その金髪の座頭市を演じるのはビート   メント性が高くなっている。言ってみれば北   度に再認識させられてる気がする。そんな中、

 たけしだが台詞が少ない事も手伝って意外に   野武のコメディアン的要素が色濃く出た作品   唯一憧れを絵にしていると思えるのが殺陣のシ

 違和感なく馴染んでいた。対する浪人服部源   と言えるかもしれない。ただその分、映画と   ーン。ここだけは全くの時代劇で刀独特の間合

 之助を演じるのが浅野忠信。そしてその妻、   しての一貫したテーマが薄く物足りない部分   いや人の持ち得る反応速度、立ち会う者同士の

 おしの役に夏川結衣。その他、ガダルカナル   もある。例えば浪人とその妻の悲劇的な結末   気のふれ合いなどがシンプルに描いてあり心と

 タカや柄本明、変わったところでは大衆劇団   など日本的でとても良いと思うのだが、あま   身体をうつ。
 
 の若座長なども出演している。こうやって見   りに唐突で感傷に浸る暇がなく、その割に旅   いつか奇をてらわず精神の支配する剣の世界を

 るといつもの北野映画のメンバーとは少し違   芸人の日本舞踊は長かったりでバランスが悪   撮ってほしいものだ。

 うことが分かる。演出の方もいつもとは違っ   く感じてしまう。少し遊び、外しが多過ぎる