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        製作期間:2007年2月〜2010年2月
キット : スクラッチビルト
縮尺 : 1/50 (全長:500mm、全高:460mm、全幅:240mm)
図面 : Duyfken 1606 Replica Foundationから購入した復元船の4枚の大きな図面

参考文献:
1) Australian goverment picture post card (photograph by Robert Garvey)
2) Duyfken 1606 Replica Foundation : http://www.duyfken.com/
3) Robert Garvey: To Build A Ship The VOC Replica Ship Duyfken (2001) University of Western Australia Press
4) Brian Lavery: The Colonial Merchantman SUSAN CONSTANT 1605 (Anatomy of the Ship) (1988) Naval Institute Press (メモ4)
5) 白井一信: 帆船模型製作技法 (2005) 木製帆船模型同好会「ザ・ロープ」
6) Timothy Wilson: Flags at Sea, National Maritime Museum Naval Institute Press

船歴
1595年頃、オランダで建造された。Duyfkenという名前は「小さな鳩」という意味である。小型、軽量、軽武装で、おそらく、貴重品の運搬船か私略船として作られたものらしい。 1601年、香料諸島へ向かう艦隊の一隻としてオランダを出航し、インドネシア・ジャワ島のバンテン港でこれを阻止しようとしたポルトガルの大艦隊と戦うなど活躍した。
1606年初めに Willem Janszoon指揮のもとインドネシアのバンダ島を出航、オーストラリア大陸ケープヨーク半島に到達し、地図を作成した。これがオーストラリア大陸の発見とされている。 1608年、戦闘で損傷を受け、修理不能とされた。

2010年2月23日
完成
Duyfken

製作経緯

この船のキットはない。そこで、いろいろ図面を探したところ、Duyfken 1606 Replica Foundationで図面を入手できることが分かり、2月2日にメモ1に記したような図面を入手した。

2007年2月、プランク・オン・バルクヘッド工法で作ることにして、まず、シナベニアを使ってキールとフレームを作った。 そして、3月からウオールナットを使って外板張りを始め、5月になって何とか張り終えた。

その後、甲板を張ってしまうと手が届かなくなる船尾の大砲を取り付け、舵も付けた。ピントルとガジョンは真鍮で作って着色した。着色前の状態をメモ2に示す。
ところで、メモ3に示したごとく、Dufkenの搭載砲は3ポンド砲8門とスイベルガン4門だそうだが、砲門は甲板上に8個、船尾に2個ある。一度に、全部の砲門に大砲を配置したわけではなさそうであるが、折角砲門があるのだから、全部大砲を配置することにした。

6月から7月にかけて、航空ベニアで甲板の下張りを作り、続いて、ブルワーク内張り、甲板張りを完了した。その後、錨用のウインドラスを作った。

8月、排水ポンプ2台と大砲8門を作った。ポンプはすべて木で作りプラモデル用のガンメタルブラックで塗装した。メモ5に拡大写真を示す。
大砲の砲身は真ちゅう製だが初めて黒染め液を使ってみた。詳細はメモ6に示す。

9月、船首楼甲板と船尾甲板を支えるビームを張り、操舵手用のスペースの後ろにある隔壁を造った。この隔壁はいずれ見えなくなるので、メモ7に写真を残しておく。
その後12月までに、甲板を張り、操舵手用のハッチや船尾甲板の隔壁、ナイトヘッドなどを取り付け、さらに、手すりと衝角を取り付けた。

2008年になって、ライオンの船首像を作り、2月にはチャンネルとチェーンを取り付けた。船首像は粘土で作ってプラモデル用塗料で塗装した。

4月、ロアマストを取り付けた。この船のロアマストとトップマストのつなぎ目はちょっと珍しいタイプでソケットに差し込むような形になっている。John C. Hudock氏が描いてくれた図面をメモ8に示す。

6月、ロアマストシュラウドとフォアステイを張り、8月までかかってトップマストをつけ終わった。
さらに年末になって、ロアヤードを取り付けた。
ヤードの吊り下げ方がDuyfkenの写真をいくら見ても分からず、復元船の設計者Nicholas Burningham氏に問い合わせたところ、「ハリヤードはハウンズ部分にあるチークの中の滑車を通っている。」とのことであった。答えを受け取ってから気がついたのだが、この方法はSusan Constantと同じ方法であった。それなので、そのように製作した。

2009年1月、フォアとメインのトップスルヤード、スプリットスルヤード、ラティーンヤードを取り付けた。

3月、トップマストとミズンマストのシュラウドにラトリンを張った。

4月、ガンポート・リッドを取り付け、展示用船台を作った。さらに、錨と旗を取り付けた。旗は古いワイシャツの布地にアクリル塗料で描いた。

2010年2月、随分時間がかかったが、やっと銘板を作成して完了した。


Memo

1) plans

図面をDuyfken 1606 Replica Foundationから購入した。図面は4枚で、船体の図面、一般配置図、甲板平面図、帆の図からなり、値段は配送費込みで80.00オーストラリアドルであった。

2) pintle_gudgeon

初めて自作した真鍮製のピントルとガジョンを示す。この後、ガンメタルブラックで着色した。

3)

参考文献3の56ページの記述は以下の通り。

"The original Dufken is thought to have carried eight three-pound cannons and four small anti-personnel swivel guns, On long voyages, the guns were carried in the hold."
4)

2007年5月 The Colonial Merchantman SUSAN CONSTANT 1605 をアマゾンから購入した。この本はこの時代の船に詳しい米国メリーランド州のJohn C. Hudock氏から「Duyfkenと同時代の船で大きさも形も似ているから、参考になるだろう。」との指摘を受けて購入したものである。なお、彼からはこれ以外にも色々な情報を提供して貰っている。

5)

pumps 折角作ったポンプなのだが完成するとほとんど見えなくなると思われるので、ここに写真を残しておくことにする。
本体は丸棒から作ったが、ハンドルは爪楊枝である。
拡大するとかなり汚らしいが、かえって雰囲気は出ていると自分では思っている。

6)

blackened_guns 真鍮黒染め液なるものがあることは知っていたのだが、あまり安全なものではないので使ったことがなかった。でも、一度は試してみないと話にならないと思ったので試してみることにした。ところが、これがなかなか手に入らない。銀座伊東屋でも最近は置いてない。
John C. Hudockから、各種黒染め液の組成を教えてもらったのだが、いずれもかなり危ない物で個人での入手は難しい。その内で、一番原料が入手しやすそうなのが炭酸銅-アンモニア水溶液(炭酸銅は陶芸店で、アンモニアは薬局で入手できるはず)だったので、まず、炭酸銅を入手すべく新宿の東急ハンズに行った。ところが、陶芸コーナーにこれが置かれてない。仕方がないので、店の中をうろうろしていたら、彫金コーナーになんとアオバ黒染め液があった。
参考文献5によると「アオバ黒染め液には502と503があり、前者は黒褐色に染まるため503の方が良い」と書いてある。
残念なことに、この売り場には502だけしかなかった。しようがないのでこれを買って帰り、試してみた結果がこの写真である。左の真ちゅう製砲身を染めたばかりのものが中央で、たしかに黒褐色になった。こりゃだめかなと思ったのだが表面の粉状のものをこすり落としたら、右側のようにちゃんと大砲らしい色になった。

7)

bulkhead 船尾楼甲板の下には2台のポンプが設置されており、その後に舵を動かすための ウイップスタッフが甲板から突き出ている。ここに操舵手が居るのだが、その後ろに隔壁がある。

8)

mast_scarf mast_scarf John C. Hudock氏が描いてくれたトップマストとロアマストの接合部の図面を左に示す。
この構造はDuyfken復元船の設計者で考古学者(naval archeologist)のNicholas Burningham氏の研究結果に基づいており、当時のオランダ船では一般的だったとのこと。また、この図面は Burningham氏の検証済みだそうです。


過去の状況:

過去の状況を少し詳しく別のページに示してあります。下のボタンをクリックしてご覧ください。
着工から前回更新分まで

拡大写真 :

各部分の拡大写真を別のページにまとめました。下のボタンをクリックしてご覧ください。

油絵:

Duyfkenが1606年オーストラリア大陸を発見した状況を想像して描いてみました。下のボタンをクリックしてご覧ください。