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        製作期間:2002年4月〜2004年6月

キット : COREL (Italy) 製
縮尺 : 1/98(全長:1035mm、全高:715mm、全幅:325mm)
図面 : とてもきれいな図面
説明書: 英、独、仏、伊の4ケ国語。
何故か、英文のハイフネーションがめちゃくちゃで、英作文の入学試験なら必ず不合格になるような代物。(読めないということではありません。・・・念のため)
その他: 1)オーナメントは金属ではなくウッドチップを樹脂で固めたもので出来ている。説明書にも書いてあるが、よほど気をつけないと壊れる。 ここでは、主要部分をアマティのメタルキットに変え、レールなどにはウッドチップを使った。 このウッドチップの性質について判明した事実をメモ5)に記す。
2)動索の固定位置がかなり変更されているので、本物と同じように作りたい場合は、別に資料を用意する必要がありそう。

船歴
大英帝国の100門級戦列艦で、チャタム造船所において1759-1765年に建造された。1805年10月、 かのネルソン提督の旗艦としてフランス-スペイン連合艦隊と戦ったトラファルガー沖海戦が有名。なお、ネルソン提督はこの海戦で戦死し、死体はブランデーに漬けられて英国に運ばれたとのこと。
現在はポーツマス港第2ドックに係留されており、 トラファルガー沖海戦で掲げられた有名な旗流信号"England expects that everyman will do his duty" は、現在でも毎年10月21日にマストに掲げられるとのこと。

関連ホームページ
http://www.microcraftworld.com/main.html
Wooden kits shop MicroCraft:今回は、ここからキットを購入。 

2004年6月3日
完成
H.M.S.Victory
製作経緯
4月8日、マイクロクラフト社からネット経由の通信販売でキットを入手した。
6月初旬に下張りを完了し、7月中旬に上張りを終えた。

8月下旬、アッパーデッキ(メモ2)に記したようにキットにはロアーデッキと書いてある)を完成し、1ヵ月後、アッパーデッキ上の大砲をすべて固定した。この甲板上には本来同じ口径の大砲が並ぶべきであるのに、指示書に従うとメモ3)に記したように、異なる口径の大砲が並ぶことになる。そこで、切断砲身を使うように指示されていた部分もすべて砲架に載せるタイプに変更して、口径をそろえた。

11月中旬、メモ1)に記したように、船尾ギャラリーの外壁を金属製に変更して取り付けた。窓ガラスには透明プラスチック板を使って内部を覗けるように変更した。

12月、船首衝角部(ウッドチップ製)を完成した。この工事には一度失敗したがメモ5)に記したような現象があり、意外にも再生できた。

2003年になり甲板上構造物の構築にかかった。プープデッキ上のスカイライトは木と紙で格子を作り透明プラスチック板を張って、下の甲板が見えるように改造した。
さらに、メモ4)メモ7)に記したように舵輪とビナクルをより本物に近づけるように変更した。

3月中旬、4隻のボート(34ftランチ、32ftバージ、28ftピンネース、18ftカッター)を作り、それらをすべて船体中央のスキッドビームの上に置けるように改造した。

4月から5月にかけてチェーンとハンモックネットを取り付け、さらに大砲もすべて取り付けた。これで船体作業は完了した。

5月末、ロアマストを全部立てた。このキットは、マストに関してはかなり手抜きで、マストの底部をマストホールがある甲板のすぐ下の甲板に直接糊付けする形になっている。

6月下旬、ロアマストシュラウドに着手。すべてのシュラウドを張り終えるのに一ヶ月かかった。

8月、トップマストを立てた。フォアステイはちょっと頑張ってロープの"たるみ"を表現してみた。この"たるみ"を保持したまま最後まで進められるかどうかはお楽しみである。

9月、トップギャラントマストとフライングジブブームを取り付け、さらに10月一杯かかってステイをすべて張り終った。
かなり努力してフォアステイの弛みを表現しようとしたのだが、その難しいこと難しいこと・・・。写真から分かるとおり、何とか弛みがあるかなといった程度にしか出来なかった。

11月からヤードに取り掛かったのだが、12月に入って大変なことに気がついた。このキットでは、動索を甲板上に固定する位置が小冊子の中にリストの形で指示されている。しかしその指示があまりに非合理的なので、"The 100 Gun-Ship Victory"の図面と比較してみたら、大幅に変更されていることが分かった。いくら模型だからといってこれほど変更してよいのかと思うほど違う。やむなく、"The 100 Gun-Ship Victory"を参考に修正することとした。おかげで突然、作業がややこしくなった。

2004年1月にクロスジャックヤード、ドライバーブームとドライバーガフを取り付け、2月にフォアトップスルヤードとフォアトップギャラントヤードを取り付けた。さらに、3月にメイントップスルヤードとメイントップギャラントヤードを取り付け、4月にミズントップスルヤードとミズントップギャラントヤードを取り付けた。
これですべてのヤードの取り付けを完了したわけだが、ブレースにも弛みをつけたため、ヤードの固定が難しくなった。少々ぐらつくが、やむをえないと諦めた。

5月、錨を取り付けた。最初、キットに入っていたものをそのまま取り付けてみたら少し様子がおかしい。よくよく見るとメモ10)に示したごとく、実物より40%近く小さいことがわかった。やむなく、せっかく取り付けた錨をすべてはずし、木製の錨を自作し艶あり塗装で鉄の雰囲気を出すこととした。

そして6月初めに、旗を取りつけて完成した。
メモ
1) ウッドチップを樹脂で固めたオーナメントはどうにも扱いにくそうなので、「マイクロクラフト」さんからの情報や「木造帆船模型とその船の歴史」の作者の方の経験を伺うなどしていろいろ考えた結果、主要部分を金属製に変更することとした。5月30日金属製のオーナメントを入手。これはこれで寸法あわせに問題が生じそうだが、扱いは楽そう。
参考のために両者のギャラリー部分の写真を下に示す。左がアマティのメタルキット、右がキットに入っていたウッドチップ製。

ornament
2) キットでは、下からロアーデッキ、アッパーデッキ、プープデッキと呼ばれているが、同じデッキがThe 100-Gun Ship Victoryではアッパーデッキ、クオーターデッキ、プープデッキとなっている。ここでは、混乱を避けるために"The 100-Gun Ship Victory"の記述に従うことにする
3) The 100-Gun Ship Victoryによれば、アッパーデッキ上に配置されている大砲は12ポンド砲30門とのことなのだが、このキットでは砲架に載せる大砲と切断砲身が混在することになっている。ところが、キットに入っている砲架に載せる大砲はかなり小型であるのに、切断砲身はアッパーデッキ用もミドルデッキ用(24ポンド砲)もロアデッキ用(32ポンド砲)もすべて同じ大きさで、かなり大きい。ミドルデッキとロアデッキはすべて切断砲身を使うためあまり目立たないが、アッパーデッキでは、同じ甲板上に大きさの異なる大砲が混在する状態になる。
4) キットの指示では、舵輪と羅針儀架台(ビナクル)を船尾楼甲板より前に取り付ける様になっている。しかし、本物では船尾楼甲板の下に取り付けられている。
本物と同じ位置に取り付けるためには、キットに入っている舵輪は大きすぎるので、小型のものに変更する必要がある。がんばって、舵輪を小型なものに作り変えた。下の写真に付属の舵輪と並べて示す。右側がキットの指示通りに作ったもの、左側が作り直したもので中央の軸にロープも巻きつけてある。

wheel
5) ウッドチップはそのままでは非常にもろい。半田ごて等で加熱すると柔らかくなるが加熱しすぎると”ふにゃふにゃ”になってしまうため加熱の加減が難しい。しかし、アクリル系のプラモデル用塗料で塗装するとかなり柔らかく、かつ、強くなり扱いが非常に楽になる。チップを固めている樹脂との何らかの化学反応によるものと思われるが、理由は分からない。
6) 船首ににカロネード砲が2門配置されるが、この部品はすべて金属製であり、組み立ては簡単である。ところが、実際に組んでみると、下の写真右側に示したように、台座の下にあるはずの車輪が両脇にかなりはみ出している。また、砲尾を支えるための三角形の台の上に砲尾が乗らず、仰角をコントロールするためのねじが乗ってしまった。細かいことだが、明らかに本物とは形が違う。
どうしようかとしばらく考えたが、結局、台座を木で作り直すことにした。写真の左側が作り直したものである。黄色で着色したせいか、一見するとキットのままのほうが重厚で格好良いのは少々残念。

carronade
7) ビナクルも煙突を立て、中にランプと羅針盤を入れて外から見えるように作り直した。ガラス窓の枠は紙製である。
binnacle
8) キット付属の金属部品を使ったガンポートの写真を示す。一見、精度の良いポートが出来そうな気がして使ってみたが、船体から枠がはみ出してしまったり、ポートタックル用のロープを付けられなくなったりと問題が多い。自分で木を使って作ったほうが良かったと後悔している。
gunport
9) キットの図面のバウスプリット、ジブブーム、フライングジブブームの位置関係が本物("The 100-Gun Ship Victory"の図面による)とちがう。下の図にそれらの位置関係をキャップの位置で示す。本物ではジブブームがバウスプリットの真上にあるのにキットの図面では、どういう分けだか、斜め上に配置するようになっている。図面はかなり懇切丁寧に描かれており、単なる勘違いとも思えず、わざわざこんな形にした理由がまったく分からない。
bowcap
10) キットに付属していた錨を組み立てて船体に取り付け終わってから、実物よりかなり小さい事に気がついた。どうしようかしばらく考えたが、木材を使って全部作り直すこととした。 写真の右側のものがキット付属の錨で中央が自作品である。一目瞭然かなり大きさが違う。参考までに塗装前の錨を一番左側に示した。アイアンバンドは私が得意とする紙製である。
anchor
11) 最後に、ネーム・プレートを作りました。最初、真鍮板で作ろうとしたのですが、どうも工作が面倒なことになりそうなので、文字を厚紙から切抜き、それをもう一枚の厚紙に貼り付けたものをそれらしく塗装しました。それを、木ねじでスタンドに取り付けました。
NamePlate

過去の状況: 過去の状況を少し詳しく別のページに示してあります。下のボタンをクリックしてご覧ください。
着工から2003年5月まで
2003年6月から前回更新分まで

拡大写真 :各部分の拡大写真を別のページにまとめました。下のボタンをクリックしてご覧ください。
油絵: トラファルガー沖海戦の図を描きました。下のボタンをクリックしてご覧ください。