酔い、悪酔い、二日酔い

tuta

1.酔い、悪酔い、二日酔いについて

酔いの状態と血中アルコール濃度

  お酒を飲むと、お酒に含まれるアルコールが胃や小腸から吸収されて血管に入り、血液に乗って全身に運ばれます。アルコールは分子が小さいので、脳の血管にも入り込み、脳を麻痺させます。脳が麻痺することで身体に変化が起きた状態が「酔い」です。酔いの状態は、血中アルコール濃度により違います。アルコールが低濃度のうちは、精神の安定や気分の向上などの好い効果をもたらしますが、高濃度だと運動失調や意識喪失などの悪い状態を引き起こします(下表)。
  体内に吸収されたアルコールは、5〜10%は汗・尿・呼気とともにそのまま体外に排出され、残りは肝臓でアセトアルデヒド→酢酸→二酸化炭素と水へと分解されます。

血中
アルコール
濃度
酔いの区分脳の麻痺度合い酔いの状態
0%飲んでいない脳が普通に活動しています。理性が普通に働き、運動神経も正常に働きます。
0〜0.05%爽快期脳幹網様体の働きが抑えられ、理性を司る大脳新皮質の働きが低下し、本能や情動を司る大脳辺縁系の抑制がとれて、活動が向上します。血行がよくなり、食欲が出ます。陽気になり、楽しく感じます。
0.05〜0.10%ほろ酔い期大脳新皮質の活動が、さらに低下します。顔が赤くなり、ほろ酔い気分になります。普段よりも饒舌になり、大胆な行動をとります。
0.10〜0.30%酩酊期大脳だけでなく、運動機能を司る小脳も麻痺し始めます。何度も同じことを喋るようになり、迷惑構わず大胆な行動をとります。立つとふらつき、まともに歩けなくなります。吐き気を感じたり、嘔吐したりします。
0.30〜0.40%泥酔期
記憶中枢である海馬まで麻痺が進みます。意識がはっきりせず、ろれつが回らなくなります。記憶がなくなることがあります(ブラックアウト)。
0.40〜0.50%昏睡期ついに生命維持に必要な延髄が麻痺します。揺すっても起きなくなり、失禁し、呼吸が止まることもあります。
泥酔と昏睡(死の危険)は紙一重!

酔いで陽気になる詳しいメカニズム:
  普通の状態では、快楽刺激が与えられると、まず、脳の腹側被蓋屋にあるニューロン(神経線維)が興奮します。その興奮は軸索を伝わり、即座核にある末端から「ドーパミン」を放出します。側坐核にあるニューロンがドーパミンを受け取ると、「快楽」として感じます。そして、ドーパミンが過剰に放出されると、抑制性のニューロンが働き、腹側被蓋屋にあるニューロンの働きを抑制して、ドーパミンの放出を抑えます。
  しかし、ここにアルコールが存在し、抑制ニューロンからカリウムが放出されると、抑制機能が働かなくなります。結果として、即座核からドーパミンが過剰に放出されるので、快楽を強く感じるようになります。

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