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スピリッツ

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もくじ   1.スピリッツとは?
  2.スピリッツの歴史
  3.スピリッツの分類
     ウオツカ / ジン / ラム / テキーラ / アクアヴィット
     アラック / コルン / ピンガ / フルール・ドゥ・ビエール
  4.その他スピリッツについて
     プルーフ / 糖化 / 単式蒸留器と連続式蒸留器 / 樽貯蔵
  5.スピリッツの選び方、飲み方
     選び方 / 飲み方

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1.スピリッツとは?

  スピリッツは「アルコール度数の高い蒸留酒」のことです。アルコール度数が少なくとも30度以上はある蒸留酒で、エキス分が含まれないか、少ないものを指します。厳密な意味でのスピリッツには、ウイスキー、ブランデー、焼酎なども含まれますが、一般的にスピリッツといえば「ウオツカ」「ジン」「ラム」「テキーラ」などを指します。現在最も強い酒は、ウオツカの「スピリタス」で、アルコール度数が96度もあります。スピリッツは、そのまま飲むだけでなく、カクテルのベースにもよく使われます。

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2.スピリッツの歴史

  スピリッツは、錬金術で使われていた蒸留器を使い、醸造酒を蒸留することで造られるようになりました。蒸留器はヨーロッパで発明され、世界中に広がっていき、それにしたがって蒸留酒も世界各地で造られるようになりました。まずヨーロッパでブランデーやウイスキーが造られ、北欧に伝わってアクアヴィットが造られ、ロシアではウオツカが、イランやインドではアラックが、中国で白酒(パイチュウ)が、日本で泡盛や焼酎が造られるようになりました。さらにアメリカ大陸にも伝播し、キューバなどでラムが、メキシコでテキーラが造られました。
 主なスピリッツの名前の由来は、ウオツカはロシア語の「生命の水(ジーズナヤ・ヴァダー)」、ジンは「杜松の実(ジュニパー・ベリー)」、ラムはお酒を飲んだときの状態「大騒ぎ(ランバリオン)」、テキーラは町の名前「テキーラ町」、アクアヴィットはラテン語の「生命の水(アクアヴィテ)」であるとされています。
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3.スピリッツの分類

ウオツカ(Vodka)

  ウオツカは、ロシアで生まれた、純粋なアルコールに近いスピリッツです。ウオツカの造り方は、大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシ、ミルクなどを糖化させてから発酵し、連続式蒸留器で蒸留してアルコール度数を95度以上まで高め、適宜加水してから、白樺や椰子などの活性炭でろ過します。無色透明のものが多いのですが、わずかに香味付けをしたウオツカもあります。アルコール度数は、40度前後のものが多いようです。
  ウオツカベースのカクテルには、ソルティ・ドッグ、スクリュードライバ、モスコミュール、バラライカ、ブラッディー・メアリーなどがあります。
ウオツカのタイプ代表的なウオツカ(アルコール度数)
ピュアタイプ
無色透明の純粋なウオツカです。クセがまったくなく、カクテルのベースに向きます。
ストリチナヤ(40度、50度)、ストロワヤ(50度)
スピリタス(96度)、スミノフウオツカ(40度、50度)
ウヰルキンソン(40度、50度)
ギルビーウオッカ(37.5度、45度)ほか多数
ズブロッカタイプ
ポーランドで造られる、野牛(バイソン)が食べる草「ズブロッカ」を漬け込んだウオツカです。淡黄色で、桜餅のような甘い香りがします。
ズブロッカ(40度)
コード・ズブロッカ(40度)など
フレーバータイプ
果物、ハーブなどを浸漬、またはエキスを少量加えたウオツカです。
フィンランディア・クランベリー(40度)
ハンター・ウオツカ(45度)
ペルフォツカ(35度、トウガラシ入り)など


ジン(Gin)

  ジンは、オランダで生まれた、杜松(ねず)の実の香りがするスピリッツです。オランダの医者シルヴィス博士が、杜松の実(ジュニパー・ベリー)をアルコール液に浸漬、蒸留して、解熱剤としたのが始まりとされています。トウモロコシ、大麦、ライ麦などを糖化させてから発酵し、連続式または単式蒸留器で蒸留し、杜松などの植物成分をしばらく浸漬してから、単式蒸留器で再び蒸留します。加える植物成分としては、杜松のほかに、オレンジやレモンなどの果物、コリアンダーやアンゼリカなどのハーブがあり、各社ごとに植物成分の配合が異なります。
  ジンベースのカクテルには、マティーニ、ギムレット、ジン・トニック、ジン・リッキー、トム・コリンズ、ブルー・ムーン、青い珊瑚礁、ブルドッグ・ハイボールなどがあります。
ジンのタイプ代表的なジン(アルコール度数)
ロンドン・ドライ・ジン
香りが控えめで切れ味がよく、カクテルのベースに向きます。
ビーフィーター(40度、47度)
ボンベイ・サファイア(47度)
ゴードン(40度)、タンカレー(47.3度)
ギルビー(37.5度、47.5度)
ウヰルキンソン(37、40、47.5度)
ボルス・シルヴァー・トップ(45度)ほか多数
オランダ・ジン
ジュネヴァータイプともいいます。連続式ではなく単式蒸留器で数回蒸留して造り、口当たりは柔らかめです。ボトルは、茶色のタワー型が一般的です。
ボルス・ジュネヴァ(37.5度)
シュリヒテ・シュタインヘーガー(38度)など
オールド・トム・ジン
ロンドン・ジンにわずかに糖分が加えられており、甘みがあります。
オールド・トム(40度)
オールド・チェルシー・オールド・トム(40度)など


ラム(Rum)

  ラムは、カリブ諸島で生まれた、さとうきびから造る無色または褐色のスピリッツです。さとうきびから砂糖を作った残りの糖蜜やさとうきびの搾り汁を、水で薄めてから発酵し、蒸留器で蒸留します。ジャマイカなどで造られる風味が強い「ヘビータイプ」は、発酵液を単式蒸留器で数回蒸留したのちに、内側を焦がしたホワイトオークなどの樽で数年間熟成します。キューバなどで造られる風味が軽い「ライトタイプ」は、発酵液を連続式蒸留器で蒸留し、そのまま瓶詰めします。「ミディアムタイプ」はのヘビーとライト中間の風味になります。ラムを色で分類すると、「ホワイト・ラム」と「ゴールド・ラム(ダーク・ラム)」に分かれます。
  ラムベースのカクテルには、キューバ・リブレ、ダイキリ、X・Y・Zカクテル、マイ・タイ、ボストン・クーラー、ブルー・ハワイ、ホット・バタード・ラムなどがあります。
ラムのタイプ代表的なラム(アルコール度数)
ホワイト・ラム
無色透明のラムです。樽熟成を行わないライトタイプのものや、樽熟成を行った褐色のラムを活性炭などでろ過し、色や香りを除いて透明にしたものがあります。風味が軽く、多くのカクテルのベース、冷たい菓子作りに向いています。
バカルディ・ライト・ドライ(40度)
ロンリコ・ホワイト(40度)
レモン・ハート・ホワイト(40度)
マイヤーズ・プレミアム・ホワイト(40度)ほか多数
ゴールド・ラム
褐色のラムです。ろ過しないヘビータイプやミディアムタイプのラムがこれにあたります。ホワイトよりも風味が強く、キューバ・リブレやホット・バタード・ラムなどの、ラムの風味を楽しむカクテルのベースや、焼き菓子作りに向いています。
バカルディ(40度)、バカルディ151(75.5度)
ロンリコ・ゴールド(40度)、ロンリコ151(75.5度)
レモンハート・デメララ(40度)
レモンハート・デメララ151プルーフ(75.5度)
マイヤーズ(40度)ほか多数


テキーラ(Tequila)

  テキーラは、メキシコで生まれた、竜舌蘭(りゅうぜつらん)から造るスピリッツです。アガベ・アスール・テキラーナという品種の竜舌蘭の、発芽から10年ほどたったものを、葉を除いて球状の茎を半分に割り、蒸気釜で蒸して含まれる甘い汁を取り出し、発酵させ、単式蒸留器で数回蒸留します。熟成させないものはホワイト・テキーラまたはテキーラ・レポサド(短期)、オーク樽などで熟成したものはゴールド・テキーラまたはテキーラ・アネホ(長期)と言います。
  テキーラベースのカクテルには、マルガリータ、テキーラ・サンライズ、メキシカン・カクテルなどがあります。ストレートで飲むときには、レモンをかじり、塩をなめてから、ストレートのテキーラを一気にあおる、という飲み方がされるようです。
テキーラのタイプ代表的なテキーラ(アルコール度数)
ホワイト・テキーラ(レポサド)
無色透明のテキーラです。樽熟成を行わないので、口当たりがシャープです。カクテルのベースに向いています。
エラドゥーラ・シルバー(40度)
オルメカ・ブランコ(40度)
カミノ・レアル・ホワイト(40度)
オレンダイン・ブランコ(40度)など
ゴールド・テキーラ(アネホ)
褐色のテキーラです。樽熟成されているので、ホワイトよりも口当たりがまろやかです。ストレートで飲むのに向いています。
エラドゥーラ・アネホ(40度)
オルメカ・アネホ(40度)
カミノ・レアル・ゴールド(40度)
オレンダイン・オリータス(40度)など


アクアヴィット(Aquavit)

  アクアヴィットは、北欧で造られている、ジャガイモから造るスピリッツです。ジャガイモに麦芽を加えて糖化し、発酵させ、連続蒸留器で蒸留したのちに、キャラウェイ、アニス、フェンネル、クミン、カルダモンなどのハーブやスパイスで香りづけを行います。ハーブの香りが特徴なので、ハーブ・スピリッツとも呼ばれます。オールボー・タッフェル、オールボー・ジュビリウムス、リニア、スコーネなどの銘柄があります。


アラック(Arrack)

  アラックは、東南アジアで造られているスピリッツで、椰子の実のジュース、さとうきびの糖蜜、米などを糖化して発酵し、単式蒸留器で蒸留します。アラック・プラス、アラック・オブ・パリ、グリューネワルト・バタヴィア・アラックなどの銘柄があります。


コルン(Korn)

  コルンは、ドイツで造られている、小麦などの穀物から造る、まったく香り付けしていないスピリッツです。樽熟成していない透明なものと、樽熟成した淡黄色のものがあります。オルデスローエ・コルンやドールンカートなどの銘柄があります。


ピンガ(Cachaca カシャーサ)

  ピンガは、ブラジルで造られている、さとうきびから造るスピリッツです。原料はラムと同じですが、さとうきびの絞り汁を加水せずそのまま発酵を行い、蒸留します。樽熟成しないものとしたものがあります。カシャーサ51、ピトゥー、タッジーニョ、イピオカなどの銘柄があります。


フルール・ドゥ・ピエール(Fleur de Biere)

  フランス・アルザスで造られている、ビールを蒸留した酒です。
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4.その他スピリッツについて

プルーフ(proof)

  アルコール度数を表示する単位です。
    英国式:プルーフ=度数x1.75(105プルーフ=60度)
    米国式では、プルーフ=度数x2(151プルーフ=75.5度)
  ラムをプルーフ表示するときには米国式が使われており、レモンハート・デメララ151プルーフ、ロンリコ151、バカルディ151のアルコール度数は、いずれも75.5度です。


糖化
  デンプンなどの多糖類が原料の場合は、いったんデンプンを糖に変えてから、アルコール発酵を行う必要があります。デンプンを糖に変えることを「糖化」といい、一般的には、大麦や小麦の麦芽に含まれる酵素を使って糖化を行います。


単式蒸留器と連続式蒸留器
  単式蒸留器は、モルトウイスキーを造る際に使われるポットスチルのようなもので、酒に熱をかけて蒸発してきたアルコール分などを冷やして取り出すための装置です。連続式蒸留器も、加熱・蒸発・冷却という原理は同じですが、それを何度も連続的に行うことで、より純度の高いアルコールを得ることができます。単式蒸留器を使うと、アルコール度数はそれほど高くないが、原料の風味が残った蒸留酒が得られます。連続式蒸留器を使うと、アルコール度数の高い、純粋なアルコールに近い蒸留酒が得られます。


樽貯蔵
  樽貯蔵は、酒を樽に入れて、数年間貯蔵しておくことです。樽貯蔵を行うと、淡黄色〜琥珀色になり、樽の風味が増し、アルコールと水がよく混ざってまろやかな酒になります。樽貯蔵を行った酒でも、ホワイトラムのように、活性炭などで色素などを除くと、無色透明となります。
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5.スピリッツの選び方、飲み方

選び方
  スピリッツは蒸留酒で、品質は低下しにくいので、製造年月日にはそれほどこだわらなくてもいいと思います。アルコール度数が高いものが多いので、初心者には、カクテルにするほうが飲みやすいかもしれません。ストレートで飲む場合には、アルコール度数の低いもの、樽貯蔵を行ってあるもののほうが、飲みやすくなっています。


飲み方
  正式なカクテルの造り方は、カクテルのページをご覧ください。

  気軽に楽しむ場合は、ストレートやロックのほかに、以下のような飲み方がおすすめです。
   ウオツカ・・・多くのものは香りや味がほとんどないので、基本的に、どんな飲み物にもあいます。
           炭酸入りジュースなどなら、まず何でもあうでしょう。
           桜餅の香りがするズブロッカは、水やソーダ割で割るといいと思います。
   ジン・・・ジン独特の清涼感のある風味は、柑橘系のジュースや炭酸入りジュース割りなどにあいます。
   ラム・・・ダークラムなどは、クセがあるので、コーラで割りなどがあうと思います。
   テキーラ・・・けっこう自己主張するので、個性が弱いもので割ると負けてしまいます。
           何かで割るなら、パイナップル・ジュース入りジュースなどがいいかもしれません。
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2003.4.18