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時は江戸時代。 一見平穏な日本であったが、各地では悪の軍団の恐怖が支配していた。 ここはとある洞窟の奥深く・・・かなり大きな空洞があり、中央には祭壇がある。 壁一面に燭台に乗せられた蝋燭がおかれ、洞窟全体を怪しく照らしている。 「苦魔ノ美さま・・ご報告を申し上げます!」 「どうした・・騒々しい」 この苦魔ノ美、組織の大幹部であり、闇将軍と恐れられている者である。 「駿河の国に配置しておりました、減量士:亜鬼が倒されました!」 「なんだと!一体どういうことだ」 「はっ、文鳥侍とか申すものに倒された模様です。 亜鬼も偽者攻撃により心理的に文鳥侍を苦しめたのですが・・・」 「何だと!我が組織の改造剣士を生身の人間が?・・大至急調査隊を派遣しろ!」 「はっ!派遣隊を調査します!」 「ばか者!!調査隊を派遣するんだ!!」 「あわわっ。は、はい!!」 「・・・くっ!!なんと腹ただしいヤツじゃっ!!」 ・・・さて、そんなこともつゆ知らず、文鳥侍は今日もゆく。 「今日はいい天気じゃのう〜♪」 「ふふっ。どの辺までいくおつもり??」 町娘みよろは文鳥侍の精悍な横顔を見つめながら聞く。 「・・・のう?みよろ。なぜお前は私に着いてくるのだ?」 「???なぜそのようなことを聞くのですか?」 「・・・お前にはいってなかったな。私には、かつてぽぽという妻がいた。 が、ある日を境に私は妻の元へ戻れなくなり、こうして旅に出ることに」 突然の文鳥侍の告白に、みよろは愕然とする。 「つ、妻?!奥様がいらっしゃったんですか?!」 激しく動揺するみよろ・・・。 文鳥侍は、みよろの顔を見ずになおも続ける。 「ふ・・・既に過去のこと。恐らく妻はもう再婚しているだろうな・・・」 なにげにみよろはホッとする。 しかし、文鳥侍の寂しそうな笑顔にドキリとした。 「・・・・・。」 とその時であった!! 目の前の木陰から何かが飛び出してきた!! 「お、お侍様!助けてくだされっ・・私は乃里と申すもの。悪者に追われているのです!」 後を追いかけ黒装束に身を包んだ二人の忍の者が・・・。 すかさず剣を抜く文鳥侍、襲いくる正体不明の忍の者。 「キーン」「キーン」2〜3合剣を交えた所である。 「引けぇっ!!」 逃げる忍。文鳥侍も後を追おうとするが、さすがは忍逃げ足はすばやい・・ 「やけにあっけない・・?」拍子抜けの文鳥侍 。 「ああ・・ありがとうございます。お侍様」 「さて乃里とか申したな・・?丁度あそこに茶屋がある・・事情を伺おうか?」 ”ニヤリ” 乃里が不敵な笑みを浮かべたのを、みよろは見逃していなかった。 茶屋を目指し歩き始める二人の後を追うみよろ。 文鳥侍と長く一緒に旅をしたせいであろうか。 みよろは不思議な感じをふと憶える。 その時、乃里の影がゆらゆらとした。 ?・・・と、みよろは思った。 「さて、では詳しい話を聞かせてもらおうか」 と、茶屋に着き、文鳥侍は乃里にいった。 「は、はい。実は・・・」 「私はかわら版屋を営んでいる者でございまして、 そのせいか、とある情報筋に詳しい者とも親しいのです」 「ふむ?とある情報筋とは??」 文鳥侍が少し膝を乗り出す。 その時、またゆらゆらと乃里の影が揺らめいた。 「!?」 少し離れた位置に座っていたみよろは、それを見逃さなかった。 「文鳥侍さまっっ?!!」 思わず声を掛けるみよろ。 「うん?なんじゃ??みよろ・・・」 と、文鳥侍が顔をみよろの方へ向けた時、またもやゆらゆらと影が蠢く。 「ああっ?!!!!」 「見て・・文鳥侍様・・この人の影が・・?!」 文鳥侍が乃里に目をやる・・・ 「何じゃ?何でも無いではないか。おかしな事を・・っ!?」 文鳥侍も我が目を疑う・・確かに揺らめいている・・? いや、乃里が振らめいているのではない。 「!!!・・お、おばば?!・・お茶になに・・を・・っ??」 崩れ落ちる、文鳥侍とみよろ。 「上手くやったな。瑠璃・・・」 「いいえ・・・乃里様こそ」 じつは、この二人悪の軍団の「調査隊」の一因であった。 「それにしてもあっけない。・・・さぁ、二人を苦魔ノ美様の元へ連れてまいろう。 瑠璃、手を貸してくれ」 「・・・はい。解かりました」 と瑠璃が文鳥侍の足を抱えた時である。 ”こっ、これは?!!”驚く瑠璃。 「どうしたのだ?瑠璃」 「い、いえ何でもありません・・・」 ”今の☆型のアザは・・まさか??・・いや間違いない・・この文鳥侍と申すもの?! 確かに、このおばばが腹を痛めて生んだ息子?!!” ”しかし、このおばばに何ができる?今はダメじゃ。・・・許せあきのすけ、後で必ず・・・” |