
FILE type 3rd 004 [ 冷たき黒い大地の:PULSATiON ]
「少々遅いぞ、貴様らは」
「そんな事言わないでよぉ。だって久々だったんだよ? あんな骨のある奴ら」
「ルド、何故止めなかった」
「止められるかいな。こっちゃ結界張るだけで手一杯や・・・・。何処の世界に空間分裂連続して造り出した上にそれを曲げる奴が居るんやっゆうねん。
ホンマ疲れたわ・・・」
「あははは・・・」
数十分前に、目的地で合流した一行はルイとルドルフの愚痴と満足話をしていた気がする。
そして楓はそれを苦笑しながら聞き流し、どうやって対応するべきか雅と同じく困った表情をしていたのだろう。
最も、それは楓一人だった様な気もするが。
だが、今、目の前に広がる光景は先ほどの雅がやった行為と同質で、どうしても真実とは思えないモノ。
存在してはならないモノが存在し、それが現実だと言う空気を肌で感じ取り、否定したいのだがあまりにも存在感の在りすぎるそれは
楓に取って頭の中に「地獄」と言う言葉を連想せざるを得ない。
目の前にあるそれは、地球上でない場所に存在する黒い色をした大地と、それと対照的な色をした、白いだけの空。
それが一つ一つ重なり合い出来たのはまるで血管の様に脈動する何か。
そしてその繋がり行く先にあるのは大きな塊であり、その中心にあるモノに楓は釘付けになっていた。
だが、それは楓だけではなかったらしい。
先ほど人なつっこい笑みで自己紹介してくれたルドルフも同じ表情をし、知っているのか。雅とルイだけが沈痛な面もちで言葉を述べる。
「あれが、ガイアだよ」
「最後に見た時よりも蝕まれているとは思わなかったがな」
ルイはそれ以上言葉を吐きたくないと言う声色であり、雅はこれ以上ないと言う程、皮肉を籠めた言葉だった。
視線の先にあるそれは、四肢を漆黒の塊に蝕まれ、裸身を晒し肌は黒い大地と同じ、いや、それ以上に闇色に染まり、生きているのか、死んでいるのかさえ
分からない濁った瞳をした女性。
その項垂れ半開きになった口から漏れる音は、全ての負の感情を込めただけの、生きているモノには決して奏でられないノイズ。
そしてしばらくの間、楓は漆黒の大地が奏でる脈動と女性の口から漏れるノイズが重なり合ったハーモニーを聞きながら、己の無力さを呪っていた。
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