朝。最も苛立ちを感じる時間。まだ生きていると思うそれは、彼の生気を失わせる理由にもなっている。
戦っても戦っても現れない自分に見合うだけの、それ以上の強者。
その存在を常に求め飢えながら迎えた朝は特に最悪としか言いようがない。
だが、今日は違った。昨晩、だろう。死んだと思っていたが、まだ生きているのならもう一度戦いたいと願うのは彼の別の欲求。
ただ、霞む視界の中で揺れる何かと、下半身にたぎる血流はあまり慣れぬモノ。そしてハッキリと視界が確保出来た時、自分の男の部分をくわえ込みながらその上で踊っていたのはしなやかな白い躯、あの女だった。
「あら、もう起きたの? ふふふ・・・でも、も、う、少し・・・ねてた方が・・い、いっ!」
何時の間に、何処に、そして何故自分を抱いているのか分からなかったが、勝負した際に決めた条件は自分が女の主になると言う事。こういう関係がそう言うモノなのかどうかは分からなかったが、思考を纏めるにはあまりにも本能が刺激され、女の姿は魅力的すぎる。
「でも・・あんた、なかなか・・・良ぃわよ。私を・・・ここまで、感じさせて・・・・・いっ・・くぅ・・・・・・う、ぁああああ!」
そして思い切り締め付けながらの、絶頂。余程良かったらしく、目が虚ろになりそのまま気絶したかと思う程、死人の様に女が此方へ倒れ込み、自分の胸の上で激しく息をしている。だが、まだ終わっていない彼に取っては中途半端な快楽は地獄でしかなく、不甲斐ないが眉を顰めてしまう。それが女には面白かったらしい。
「ふふっ・・・。不機嫌にならなくても、ちゃんと満足させてあげるわ。そうしないと傷も癒えないしね」
それに対し言葉を返そうと思ったのだがその途端、激痛が走り、再び女が腰をよじる様にして快楽を貪り出す。
「喋らなくて・・・いい・・はぁぁぁぁ・・・。あの後ね・・貴方の首、興奮して・・・切断しちゃったから」
その為の激痛だとは分かったが、そこまでされて生きている事は不思議と思っても致し方のない事。少なくとも、首を切断され生きている自信がある程頑丈ではない。
だが、胸を貫かれたのだと思い出したのと同じく、今は思考全てが経験した事のない快楽に押し流され、考えるだけ無駄に思え、その快楽を受け入れると決めた事に同意する様、女は熱い、吐息を含ませた口付けを求め自分もそれに応えた。

アナザー・ナイン・ファンタジー■ACT:CYAN MASK