時に人は、いや、心があり、意思があるモノは選ばなければならない時が来る。
誰にでも平等に訪れはするが、同じ時に決して訪れないであろう事。
反面。
いや、だからこそ、か。理不尽さを感じる事柄でもあるのかもしれない。
張りつめた空気と、緊張感を感じざるを得ない空間の中でそんな事を考えながら周りを見回す。
顔なじみの、熟練ハンタータチの顔はどれも強ばり、心なしか自分に敵意を向けている様な気さえする。
その理由が分からず、驚いた顔をしているのだろう、自分に向かい、ここに連れてきたヤヨイは申し訳なさそうに言ったのだろう。
「すみません、騙したりなんかして」
状況を見れば、これは事情を聞いて仕事をするかどうかを決める様な雰囲気ではなく、もう仕事をすると決めた様な連中しか居ない場所なのだと、同時にしなければならない状況に追い込まれたのだと言う事もイヤと言う程分かる。
分からない状況だと言い張って、そのまま帰ってしまうと言う手段もあったろうが、信用出来るハンターばかりが集められている理由を鑑みれば、答えは自ずと出てくるモノ。
何より、彼女はそう言う結論を出せる人物ばかりを集めたに違いない。人を見る目はある様だ。
だから仕方なく笑い、
「もう良いわよ。気にしなくて」
後は、自分のやるべき事を探すだけだった。
まるで昔居た、そしてキライだった場所と同じ空気を感じながら。

アナザー・ナイン・ファンタジー■ACT:VIOLET CARD