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名古屋の隣町、大府市のペットクリニック。斉藤動物病院です。

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右大動脈弓遺残症

症例 ポメラニアン メス 3ヶ月令 750gBW

症状:5日前より餌や泡沫を含んだ水様物を頻回吐く。

胸部レントゲン写真、側面像。心臓の頭方に丸く黒っぽい空気を含んだものが
認められます。肺後葉の血管陰影がはっきりしていないのは、犬が小さいからです。


バリウムを飲ませた直後の写真です。
心底部付近から頭方の食道が著しく拡張している。
一部のバリウムは胃に到達しています。


腹臥位のレントゲン写真です。前の側面像と同様の写真です。
食道の中のバリウムが停滞しています。

心臓の底部付近で食道が狭窄し、そこより頭方で拡張がみられました。
先天的奇形である右大動脈遺残症が疑われたので、開胸手術が行われました。

開胸手術写真 左が頭方
開胸したところ。丸く膨らんだところが食道。
気管チューブを挿入し、手動にて換気を維持した。

索状な大動脈弓の遺残物を分離した。

動脈管策の結紮には1-0絹糸を用いた。
切断後は、狭窄部周囲の結合織を注意深く分離し、
バルーンカテーテルを用い、狭窄部を拡張させた。
大動脈弓を切断した。

経過:術後数日は、食後嘔吐がみられたが、経過と共に減ってきた。
   術後64日目には体重も増加し、嘔吐もほとんどみられなかった。
   レントゲン検査では、食道の径は約1/2に縮小していた。

考察:
 右大動脈弓遺残症は、血管の先天的奇形としては非常に有名で、診断も難しくはない。
 術後の予後については、本例は良好に経過したが、必ずしも良いわけではなく、拡張した食道が縮小せずに食物が貯留し炎症を起こしたり、嚥下障害による誤嚥性肺炎を起こすか、が問題になる。
 食道拡張症の外科的治療は、議論の多いところであり、過去の報告をみると、短命な場合が多いようである。山根らは右大動脈弓切除後に、拡張した食道を部分切除し、良好な成績をあげているようである。


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