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道子の話(資料1)

〈資料前半〉
 四年生の道子は、お家の人のしごとのつごうで転校することになりました。今までなかのよかった友達と、はなればなれになるのはつらかったけれど、新しい学校で新しい友達と出会えるのもちょっぴり楽しみな気がしていました。
 ひっこしもぶじに終わり、いよいよ明日から新しい学校での生活がはじまります。
「どんな学校なのかな、みんなとなかよくなれるかな。」
その夜、道子はよくねむれませんでした。
 よく日、教室に入った道子に、おおぜいの友達が話しかけてきてくれました。道子は、「これなら楽しくやれそうだな」と思いました。
 ところが、楽しい日々がつづいたのはわずかに一しゅうかんでした。みんなの道子にたいするたいどがかわりはじめたのです。
「おまえのことば、へんだぞ。」
とわらわれ、
「とびばこもとべないのかよ。」
とバカにされました。ときには、何もしていないのに、けられたり、たたかれたり、つねられたりすることもありました。
 道子はくやしくてしかたありませんでした。でも、
「気にしないようにしよう、いつかみんなわかってくれる。まだ、わたしがこの学校になれていないからだ。」
道子はじっとがまんしました。

〈資料後半〉
 いつの日か、道子がきゅうしょくとうばんをやっても、だれもうけとってくれなくなりました。そして、とうとうだれひとり、道子と口をきいてくれなくなりました。
 ひと月たち、ふた月たち・・・。遠足に行ったときも、道子はひとりぼっちでした。
 やがて、道子は学校へ行かなくなりました。家にいてもごはんも食べず、口もきかず、だまってどこかを見つめています。

正人の話(資料2)

〈資料前半〉
 正人は四年生の男の子。ちょっぴり太っています。そのことで、みんなからバカにされることがよくありました。
「デブ!」
「ブタ!」
そんなことばをあびせられると、何も言えなくなってしまいます。少しさびしそうにうつむいたまま、正人はいつもだまっていました。
 学校の行き帰りには、いきなり後ろから頭をたたかれたり、けられたりしました。でも、そのときも正人はだまったままです。教室でたたかれることもしばしばでした。
 ある日のことでした。昼休みに正人が自分の席にすわって本を読んでいると、典夫に声をかけられました。
「おい、正人!」
正人がへんじをする間もないうちに、ほほにきょうれつな痛みが走りました。典夫が思いっきりビンタをしたのです。もちろん、正人は何もしていません。
 ところが、いつもはだまっている正人が典夫をにらみつけました。典夫は、
「何だよぅ、その目は。もんくがあるのか。」
正人をにらみながら言いました。
 そのときです。
 バチン!
 教室にかわいた音がひびきました。いきなり立ち上がった正人が、典夫のほほを思い切りたたきかえしたのです。

〈資料後半〉
 たたきかえされた典夫は、片手でほほをおさえ、立ちすくんだまま何も言えません。まわりのみんなも、おどろいたようすで二人のようすを見ています。まさか、正人がやりかえすとはだれも思っていなかったのでしょう。典夫は、
「ごめん・・・。」
小さな声でそうつぶやくと、自分の席にもどっていきました。

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