実践のまとめ

1 45分を5分×9パーツで構成し,リズムとテンポのある授業を具現する。
2 1単位時間の指導内容を少なくし,繰り返しを多くする。
3 様々なバリエーションのActivityにより,繰り返しに変化をもたせる。
4 練習は,全体→グループ→ペアの順で行う。
5 All in Englishの授業を志向する。
 上記5点を原則とした授業実践を通し,使えるダイアログを子供たちの内部に蓄積していけば,英語によるコミュニケーション能力を育成することができる。

上が,本実践の主張点である。

1 成果

(1) 本実践では,子供たちの実態を見て,パーツ7をカットした。そのため,実際は8パーツの構成となっている。しかし,1パーツ5分を意識して構成したことにより,授業にリズムとテンポを生むことはできたと考えている。リズムとテンポが生まれることにより,子供たちは飽きることなく英会話活動に集中することができた。一つの学習活動が長くなってしまうと,どうしても子供たちの集中力は続かなくなる。

(2) 5分パーツで授業を組み立てることにより,子供たちの実態を形成的に評価することもできるという利点もある。本時で,パーツ7をカットしたのも,それまでのパーツで子供たちの実態を把握しながら授業することができたからである。

(3) 『What〜do you like? I like 〜.』は既に既習のダイアログであり,本時で新たに学んだダイアログは,『Why? Because〜.』という表現だけである。数少ないダイアログを「HRTの発音を聞く→HRTの後について繰り返す→グループで役割を決めて練習する→ゲームで練習する→Chantsで練習する」等,活動に変化をつけて繰り返させた。何度も何度も同じ表現を繰り返させたにもかかわらず,子供たちが飽きることなく楽しみながら学習ことができたのは,繰り返しに変化をもたせたからである。

(4) 全体→グループ→ペアの順で練習を組んだ。新たに学習したダイアログをいきなり,一人で発話させることは子供たちにとって抵抗が大きいからである。「最初は全員で練習→次にグループで役割を決めて練習→最後にゲームの中で一人で発話する」という順で発話練習を組んだことにより,子供たちは抵抗感を感ずることなく,自信をもって発話することができた。

(5) All in Englishの授業を毎時間続けることは難しい。授業者である私自身にそれだけの英会話能力が備わっていないからである。しかし,1年前,2年前に比べれば,私自身のClassroom Englishを適用する力も少しは向上したように思う(参観者からもそのような評価をいただいた)。子供たちには「話す力」より,まずは「聞く力」を育てるべきである。したがって,All in Englishを志向した授業は続けるべきである。そのためには,ALTとのTTの在り方を工夫したり,授業者自身の英会話能力を高めたりする努力がさらに必要である。

2 課題

(1) 新潟市総合教育センターの竹之内佳子氏より,「『What season do you like?』は『Which season do you like?』と問う方が文法的に正しい」というご指摘を受けた。季節は限定されたものであるからである。授業で扱う表現についてはより正確を期するようにしていきたい。
(2) 外山節子氏に授業VTRを見ていただいたところ,Chantsのリズムに関するご批判を受けた。英語の発音をリズムにのせるときには慎重でなければならない。不自然な英語になってしまう可能性があるからである。外山氏からは優れた教材もご紹介いただいたので,研修を進めていきたい。
(3) 今年度まで作成してきた年間指導計画はあくまでも原案である。どのような言語材料をどのように配列していけばよいのかを再検討し,指導計画の修正を図っていかなければならない。
(4) 発達段階が進むに連れ,子供たちは次のような変化を見せ始めるようになってきた。
(ア) 歌や単純なゲームだけでは喜ばなくなってきた。
(イ) 意味がはっきり分からないと不安を感じるようになってきた。
(ウ) 単語レベルの学習ではなく,コミュニケーションの道具としての英語を要求するようになってきた。
(エ) 文字言語の読み書きを要求するようになってきた。
このような高学年の子供たちに対応できる授業プランはどうあればよいのかを再検討しながら,コミュニケーション能力の育成を図っていきたい。