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第4学年 「総合的な学習の時間」学習指導案

平成12年12月12日
指導者 教諭 渋谷 徹

1 単元名 Joyful English!

2 単元の目標
^ 自分から進んでコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
_ 楽しみながら英語を学ぼうとする意欲を育てる。
` 簡単なコミュニケーションができる程度の英会話能力を育てる。

3 単元と児童
^ 単元設定の理由

学習指導要領総則には、「総合的な学習の時間」の内容について次の記述がある。
各学校においては,2に示すねらいを踏まえ,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,児童の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などについて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。

横断的・総合的な課題の例示として第一に挙げられているのが「国際理解」である。そして、「国際理解」教育において、現在最も必要とされているのが外国語教育である。
平成11年のケルン・サミットで小渕前首相が次の声明を発表した。
グローバル化時代の「読み書きそろばん」は外国語教育、コンピューター等を自由に操る能力の育成である

また、今年10月には、前文部大臣大島理森氏が「〜よりよい教育を目指して〜」と題した文章を発表した。その文章の冒頭で、「教育の目的」として第一に挙げられているのが次である。
基礎的な学力(読み・書き・計算、世界の中で生きるための外国語や情報活用能力)の向上

文部大臣の文章の中で、外国語が基礎的な学力であると明記されているのである。
外国語は英語だけではない。しかし、数ある外国語の中で、英語は世界で最も広く通用する言語であり、国際社会の中での交流も英語でなされる場合がほとんどである。インターネット上の情報もその多くは英語である。日本語だけでしかインターネットを利用できない人と、英語も駆使できる人とでは、およそ300倍もの情報格差があるという。
英語は、21世紀を生きる子供たちが身に付けなければならない「基礎的な学力」なのである。
しかし、英語学習が子供たちにとって苦痛を伴うようなものであってはならない。学習指導要領においても、次の配慮事項が示されている。
国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは,学校の実態等に応じ,児童が外国語に触れたり,外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること。
先に述べたような現代の社会情勢を踏まえた上で、子供たちが楽しく英語を学べるような学習活動を組織したい。このように考えて、設定したのが、本単元『Joyful English!』である。

_ 児童の実態
4月より、NHKラジオ『基礎英語』を教材として、英語教室を継続してきた(15分×週3回)。ラジオ講師の発音に触れながら、子供たちの「聞く力・話す力」は少しずつ高まってきている。
しかし、これは朝学習時間を利用しての活動であり、「総合的な学習の時間」とは別枠での実施である。また、4年生の子供にとって『基礎英語』の内容はかなり難易度が高く、英語でコミュニケートすることの楽しさを十分に体感させることができてはいない。
そこで、9月から始めている本単元『Joyful English!』では、「会話」「ゲーム」「歌」という三つの活動をセットとし、何よりもまず、英語でコミュニケートすることの楽しさを体感させることを基本方針とした(30分×週2回)。
9月当初から、学級担任ができる英語の授業を模索してきた『Joyful English!』であるが、ALTの斉藤・ティファニー氏に定期的に(週一回)来てもらえることになり、子供たちはネイティブの英語にも直接触れる幸福を得た。斉藤・ティファニー氏には、こちらの作成した計画にしたがった指導内容で、日本語なしのAll English授業をしてくれるよう依頼した。ネイティブの英語をシャワーのように浴び、ALTと自然な対話をすることが、子供たちのコミュニケーション能力を伸ばすに違いないと考えたからである。また、週1回の学級担任による指導も少しずつAll Englishに近いかたちで授業するよう心がけてきた。
前時までに20単位時間程度を実施してきたが、『Joyful English!』は子供たちに概ね好評であり、ほとんどの子供が英語学習に「楽しさ」を感じている。(別冊資料参照)

4 指導の構想
^ 小学校英語の指導原則

「英語でコミュニケートすることの楽しさを体感させる」
これを本単元の基本方針としたことは先に述べた。そのために、長瀬荘一氏が著書『小学校英語活動づくり事典(明治図書)』の中で述べている「小学校英語の指導原則」をとり入れた。次の5点である。
1  学校英語では、単語を多くおぼえることよりも、「ああ、面白かった」という児童の声をたいせつにしよう。
2  小学校英語では、正確な文法をおぼえることよりも、「まちがいを気にしないで話すこと」をたいせつにしよう。
3  小学校英語では、ノートにくり返して書く文字よりも、聞いたり話したりする音声をたいせつにしよう。
4  小学校英語では、先生が一方的に説明するのではなく、児童とJTE、児童とALT、児童と児童のコミュニケーション活動をたいせつにしよう。
5  小学校英語では、「できた・できない」の到達度で評価するより児童が体験すること、そのこと自体をたいせつにしよう。
(『小学校英語活動づくり事典(長瀬荘一著 明治図書)』より)


_ 指導計画作成上の工夫
小学校における英語教育では指導内容が定められていない。そこで、書籍、雑誌、ネット上から先行実践を集め、指導内容を抽出した。さらに、4年生という発達段階を考慮した上で、指導内容を絞り込み、無理のないように配列して指導計画を作成した。作成上、工夫した点は以下の通りである。
1 1単位を30分とし、45単位時間の実践を行う。
2 1単位時間の構成は10分×3活動を原則とする。
3 3活動はそれぞれ「遊ぶ」「歌う」「会話する」とする(ただし、その順序は授業によって変わる)。
4 全45単位時間を15単位時間ずつ三つの段階に分ける。
第1段階 「数」「アルファベット」「簡単なあいさつ」「身の回りの名詞」等
第2段階 「色」「月・日・曜」「身の回りの名詞」「基本的な動詞」等
第3段階 「形」「簡単な会話」「復習」
5 上記の各段階(15単位時間)を更に5単位時間ずつ三つの段階に分け、少しずつレベルアップしながら繰り返し学習できるようにする。

5 単元の指導計画(30分×45単位時間)本時23/45
(別冊資料参照)

6 本時の指導計画
^ 本時のねらい

hungry / thirsty / tired / sleepy等、自分の体の状態を表す表現を覚え、ゲームを通して、コミュニケーションを楽しむことができる。

_ 展開の構想
@ リズムとテンポ

子供たちにとって心地よいリズムとテンポは、どの教科の授業においても必要であるが、小学校英語においては特に重要である。子供たちは、説明や理屈で英語を覚えるのではなく、聞く・話す体験を通して身体で覚えるからである。
本時はGreeting / Review / Communication / Game / Songの5つのパーツで構成する。どのパートにおいても極力、説明を廃し、リズムとテンポのある学習活動が展開されるよう心がけたい。
A アクション・ジェスチャー
全身で聞き、全身で話す。このような学習活動の繰り返しによって、子供たちの英会話能力は伸びていく。
MAT(モデル・アクション・トーク)メソードと呼ばれる指導法がある。IIEEC英語教師トレーニングセンター代表の仲田利津子氏が提唱している方法である。氏は次のように言う。
まず、教師が自分で、またはCDやテープを使ってモデルを示し、生徒たちに学習する内容を理解させる。またアクションやジェスチャーを使い、右脳を刺激することで学習効果を高める。そして、必ずペアでの練習を設けて「生徒たち同士で」英語で話す(トーク)ことができるようにする。この指導法で、英語は生徒たちにとってとても身近なものになる。彼らは英語で話すのが大好きになり、意欲も増すので、どんどん学習が進む。更に、間違いも少なくなり、定着度も非常に高くなるのである。
『総合的学習を創る(明治図書)』2000年12月号

本時で扱う内容は、hungry / thirsty / tired / sleepy等、体の状態を表すものであり、アクションやジェスチャーを伴いながら表現するのに適している。単に口だけで発音するのではなく、身体全体で表現できるようにしていきたい。
B ゲーム
子供たちはゲームが大好きである。遊びだからである。何よりも楽しい。楽しい遊びの中で子供たちの気分は解放される。ゲームを通して英会話を練習することにより、子供たちは英語でのコミュニケーションに楽しさを感じてくれるに違いない。
本時では「Bomb Game」「King & Queen Game」の二つのゲームを行う。この二つのゲームを通して、英語でのコミュニケーションを楽しんでくれることを願っている。

` 本時の展開

主な学習活動と児童の思考

留意点

1 Greeting
Hello, everyone.
Hello, Mr.Shibuya.


2 Review(5分)
Picture cardや指示に合わせ、アクションを交えながら表現する。
Repeat after me. 3 times. (stand up / sit down / walk / run / swim / clap your hands)

・教師の後について3回繰り返す。
Let's play "Simon says game" !

・前時にやったゲームを楽しむ。

3 Practice(7分)
Today's lesson. Repeat after me. (hungry / thirsty / tired / sleepy)

・Picture cardを見ながら、体の状態を表す表現を覚える。
@ カードを見ながら教師の発音を聞く。
A 教師の後について発音してみる。
B カードを見て、自分たちだけで発音してみる。
C ジェスチャーを入れながら発音してみる
・覚えた表現を使った簡単な会話を練習する。
How are you?
I'm hungry. / I'm thirsty. / I'm tired. / I'm sleepy.
(文型は黒板に提示する)

4 Communication(5分)
Stand up. Practice with 5 persons. When you finished, go back to your seat. Ready go.

・教室内を動きながら、友達同士で(あるいは参観教師と)会話をしてみる。

5 Game(10分)
Let's play "Bomb game" !

・How are you? という問いに、 I'm hungry. I'm thirsty. 等 と答えながら爆弾を回していく。
Let's play "King & Queen game" !

@ 5人(王様1名、家来4名)ずつ前に出させて行う。
A 4人の家来は「食べ物」「飲み物」「栄養ドリンク」「ベッド」の絵のかかれたカードを王様に見せないようにとる。
B 4人の家来は王様に、How are you ? と尋ねる。
C 王様はI'm (hungry / thirsty / tired / sleepy). と答える。
D 王様の要求あったカードを持っていた子供が次の王様となる。


5 Song

Let's sing "How are you?" !

・『How are you?』を歌う。

・ Reviewまでは3分ほどでテンポよく行う。

・ 教師の発音を聞く→教師の後について発音する→子供たちだけで発音するというステップを踏む。
・ 全体で十分に練習してから友達同士での練習に入る。

・ 5人のうち、一人は先生方と練習するように指示する。

・ キッチンタイマー、爆弾メダル、王冠などを準備し、楽しみながら会話ゲームができるようにする。

・ 教室の座席を利用し、1列ずつ行う。

・ 最初は教師が王様役をやる。

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