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第5学年「総合的な学習の時間」学習指導案

平成14年1月24日(第2校時)
指導者 教諭 渋谷 徹

1 単元名 『Webの世界へ飛びだそう!』(情報教育単元)

2 単元の目標

^ 各種検索エンジンを利用して、必要な情報を収集することができる。(情報活用の実践力)
_ Webの基本的な仕組みが分かる。(情報の科学的な理解)
` 信頼性を検討しながら情報収集を行おうとする態度等、ネット上での基本的な情報モラルを身に付ける。(情報社会に参画する態度)

3 単元と児童
(1) 単元設定の理由

1999年12月19日、「ミレニアム・プロジェクト」が内閣総理大臣決定の名で出された。その一環にバーチャルエージェンシー「教育の情報化プロジェクト」がある。
「ミレニアム・プロジェクト」の中では、「教育の情報化」の必要性について、次のように述べられている。

このような中で,本年6月に開催されたケルン・サミットにおいても,小渕総理から「グローバル化時代に求められる『読み書きそろばん』として,コンピュータ教育が必要である」旨の発言があり,また,ここで採択された「ケルン憲章」においても,すべての子どもにとって,「読み・書き・算数・情報通信技術(ICT)の十分な能力」の達成を可能とする教育が不可欠である旨が合意された。こうした世界的な趨勢を見ても,教育の情報化は,日本の教育における最重要課題と位置づけることができる。

教育の情報化は、最重要課題として位置付けられているのである。
学習指導要領総則においても「総合的な学習の時間の取扱い」の例示として、二番目に「情報」が挙げられており、さらに、各教科等の指導においても、情報手段の活用を図ることが謳われている。
このような流れを受け、当校においても今年度、「情報教育の全体計画」を作成し、次の三つを基本方針として、子供たちの情報活用能力の育成を図ってきている。

1 「総合的な学習の時間」(低学年は学活等)でコンピュータリテラシーを身に付ける。
2 「各教科等の指導」で情報機器を有効活用する。
3 1,2を通して三つの情報活用能力を身に付ける。

本単元は、この「情報教育の全体計画」を受けて設定したものであり、主に情報収集を中心としたインターネットの活用をねらっている。

(2) 児童の実態(男子18名、女子14名、計32名)

当校では20台の児童用コンピュータが整備されており、子供たちは、低学年の時からコンピュータに慣れ親しんできた。これまで行ってきた学習活動は、およそ次の通りである。
低学年・・・キッドピクスを使った簡単なお絵描き
中学年・・・キッドピクスを使ったスライドショーの作成、ワープロソフトを使った簡単な文字入力、スタディノートを使ったLAN内でのメール交換、教師が指定したインターネットサイトの閲覧
これらの学習活動を通して、子供たちは「コンピュータの起動・終了」「マウス操作」「簡単なキーボード操作」「インターネットブラウザを使っての閲覧」等、基本的な操作はできるようになっている。
昨年度末の学習参観時に、本格的にインターネットを扱う学習を行った(本単元第一次)。ここでは、主に次のような内容を扱った。
・ IT革命が、農業革命・産業革命に次ぐ大きな変化であること
・ その変化のスピードは過去二つの革命と比較にならないほど早いこと
・ インターネットがIT革命の中心であること
(※ 詳細は資料参照)
このような学習を経て、今年度は、国語や社会の学習でインターネットを利用した調べ学習を何度か行ってきた。
調べ学習で子供たちが主に利用したのは、子供向けディレクトリ型検索エンジン「Yahoo!きっず」と、教師が予め指定したサイトである。子供たちは、これらのサイトを閲覧しながら、必要な情報を収集できるようにはなっている。しかし、自力で各種検索エンジンを活用しながら、膨大なWebページの中から必要な情報を取り出す技能までは身に付いていない。
本単元の学習を通して、必要な情報を効率的かつ的確に収集する技能や情報の信頼性を検討しようとする態度を育成したい。

4 指導の構想
(1) 調べる内容を具体的にもたせる

「プロ野球について知りたい」
このような漠然とした内容では、調べようにも調べようがないし、答えも限定されない。
「自分が生まれた年の日本シリーズ優勝チームが知りたい」
これならば、答えは限定されるし、調べる術がある。
調べ活動に入る前に大切なことは、調べるべき内容をできるだけ具体的にすることである。
本単元では「班対抗クイズ大会」を主活動として設定する。子供たちが考えたクイズ問題をお互いに調べ合うという活動を組織するのである。次の理由による。
・ クイズの問題には必然的に具体性が含まれる。
・ 子供たちの意欲を喚起することができる。
・ クイズに正答し、優勝するという目的意識を明確にもたせることができる。
なお、作問に際しては次の条件を与えることとする。
・ 誰かに聞けば簡単に答えが出せそうな問題は避ける
・ 自分も答えが分からない問題とする
・ 答えが一つに限定される問題とする

(2) 目的に応じ、「ディレクトリ型検索エンジン」と「ロボット型検索エンジン」を選択的に活用させる

インターネット上には膨大な情報が存在しており、その総数は40億ページを超えると言われる。さらに、毎日700万もの新規ページが追加されていると言う。この中から、目的とする情報を取り出すために必要なのが検索エンジンである。
検索エンジンは、大きく「ディレクトリ型検索エンジン」と「ロボット型検索エンジン」とに分けられる。
前者は、スタッフがサイトを収集し、各サイトを内容によってカテゴリ別にまとめたものである。調べたい内容に該当するカテゴリがあれば、キーボードで文字を入力せずとも、目的とする情報にたどり着くことができる。また、スタッフの目というフィルタを通されているので、比較的信頼性のある情報を得ることができる。一方で、蓄積されている情報量が少ないため、なかなか目的とする情報が見つからないという弱点もある。
後者は、ロボットと呼ばれる巡回プログラムが定期的にネット上を巡回し、情報を収集するものである。検索ウインドウにキーワードを入力することによって、目的とする情報を検索する。ディレクトリ型に比べてヒットする情報量が多い。しかし、あまりに膨大なページがヒットしてしまうため、目的とする情報にたどり着くまでに時間がかかるという弱点もある。
本単元では、双方の長所と短所を踏まえ、必要に応じて様々な検索エンジンを使い分けながら情報収集に当たらせたい。なお、ロボット型検索エンジンでありながら、抜群のヒット率を誇る検索エンジンGoogleをメイン検索エンジンとして使うこととする。

(3) 情報の信頼性を検討させる

インターネット上の情報は玉石混淆である。有用な情報がある一方で、噂話程度の信頼性しかもたない情報も数多く存在している。情報を収集する際は、必ずその信頼性を検討させる必要がある。本単元では、次の方法で情報の信頼性を検討させる。

・ 複数サイトを閲覧可能な場合は、それぞれの情報を比較検討する
・ 出典を確認し、できる限り信頼性のある発信者の情報を選択する

また、情報の信頼性を検討させる中で、図書資料等を使ったアナログ型検索のよさにも気付かせていきたい。国語辞典、百科事典、年鑑等のアナログ情報は、編集者等、多くのフィルタを通して作成されており、その信頼性はネット情報とは比較にならないほど高いからである。

5 単元の指導計画(全9時間)

次(時)
学習活動
1(1) ・Webの基本的な仕組みを知る。
2(3) ・ディレクトリ型検索エンジンの使い方を知り、教師の出題するクイズの答えを検索する。
・「クイズ大会」のための問題づくりをする。
3(3) ・ロボット型検索エンジンの使い方を知る(本時)。
・ディレクトリ型検索エンジンやロボット型検索エンジンを活用しながら情報を収集し、クイズ大会を楽しむ。
4(2) ・お互いが取り出した情報のズレを比較することにより、情報の信頼性を検討する。

6 本時の指導計画(4/9)

^ 本時のねらい

教師が出題するクイズ問題の正答を検索するには、どのようなキーワードを入力するべきかを検討する活動を通し、ロボット型検索エンジンの効率的な使い方(「適切なキーワードを入力する」「and検索によって情報を絞り込む」)を知る。

_ 展開の構想

検索の仕方を教えずに、子供たちをインターネットに接続させることは、泳ぎ方を教えずに、大海に投げ込むことに等しい。検索の仕方を知らなければ、子供たちは情報の海の中で溺れてしまうこととなる。
前時までに子供たちは、ディレクトリ型検索エンジン(Yahoo!きっず)の使い方を学び、教師が出題したクイズ問題の正答を検索した。出題したクイズ問題は次の5題である。

1  韓国ではお正月のことを何と言いますか。また、韓国では旧暦でお正月を祝うため、日本とはお正月の月日が違います。韓国のお正月はいつからいつまででしょう。
2 『くまのプーさん』、その名前の由来には説がいくつかあります。いちばん有力な説は何でしょう。
3 『千と千尋の神隠し』には新日本フィルハーモニー交響楽団が演奏しているサウンドトラックCDがあります。このCDに入っている8曲目の曲名は何でしょう。
4 現在、大リーグのシアトルマリナーズで活躍している佐々木主浩投手。佐々木投手が日本で初勝利を挙げたのはいつのことでしょう。また、そのときの相手チームはどこでしょう。
5 君たちも大好きな「トイザらス」。新潟県のある中部地方には何店舗あるでしょう。

上の5題はいずれも、「Yahoo!きっず」のディレクトリをたどることによって、正答を見つけることができる。しかし、実際に子供たちが作成したクイズ問題の正答を「Yahoo!きっず」だけで見つけることはできない。「Yahoo!きっず」にリンクされている情報は限られているからである。正答を見つけるには、他の検索エンジンを利用する必要がある。
そこで、本時ではロボット型検索エンジンGoogleを用いた検索の方法を扱う。教師が出題するクイズ問題の正答をGoogleを使って取り出す活動を組織するのである。ロボット型検索エンジンの活用法を知ることがねらいである。
クイズ問題は、子供たちが生まれた年の出来事に関する次の3題とする。

1 小林幸子が紅白で着た衣装は何色か。
2 レコード大賞は誰だったか。
3 プロ野球のセ・パ両リーグの優勝チームはどこだったか。

効率的に情報を取り出すには次の三つがポイントとなる。

・ ヒット率の高い検索エンジンを使用すること
・ 適切なキーワードを入力すること
・ スペースをあけて二つ以上のキーワードを入力することにより、情報を絞り込むこと(and検索)

本時では、子供たちがコンピュータを操作するのではなく、教師が操作する一台のコンピュータの画面をプロジェクタで投影しながら学習を進める。効率よく検索するには、どのようなキーワードが適切なのかを子供たちに考えさせ、お互いに検討させたいからである。
子供たちが作成したクイズ問題の解答を子供たち自身で検索させる活動は次時に行う。子供たちは、本時で学んだ知識を生かし、情報の海で溺れることなくクイズの答えを見つけることができるであろう。

(3) 展開(別紙)

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