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平成14年度 校内研究計画

1 研究主題

「わかる」「できる」を保障する指導はどうあればよいか
〜「基礎・基本の確実な定着」と「英語活動の充実」を目指して〜

2 主題設定の理由

 今年度から新学習指導要領が全面実施された。新学習指導要領には,二つの大きな柱がある。一つは「『総合的な学習の時間』の創設」であり,もう一つは「基礎・基本の確実な定着」である。
 当校では,平成11年度より「総合的な学習の時間」を研究の中心に据え,単元の開発と年間指導計画の作成に取り組んできた。昨年度までの3年間の研究を通して,中学年105時間,高学年110時間の年間指導計画の作成を終え,全面実施を迎えた今年度は,順調に実践をスタートしている。
 また,昨年度からは「子供たちが基礎・基本を身に付けることができる教科指導の工夫」も研究内容の一つに加え,新学習指導要領の重要な柱である「基礎・基本の確実な定着」に向けても研究を進めてきた。
 昨年1月に文科省が発表した「21世紀教育新生プラン〜レインボープラン〜」においても,重点戦略の筆頭に挙げられているのが「基礎学力の向上」である。「基礎・基本の確実な定着」は学校に求められている最重要課題である。
 しかし,「基礎・基本の確実な定着」が新学習指導要領の大きな柱であり,学校に求められている最重要課題であるにもかかわらず,完全学校週5日制及び新学習指導要領が「学力低下につながるのではないか」という懸念が後を絶たない。それに対し,文科省は次のように答えている。

 具体的には,全員が一律に学ぶべき内容は削減するが,基礎・基本について,全員が確実に習得できるよう繰り返し徹底した指導を行う。この削減が批判の対象となっているが,いくらたくさんの内容を教え込んでもそれを十分に理解できないまま終わっていく子どもも多い現状と比べ,確実に基礎・基本の力をつけることができる。
 同時に,学習指導要領は,最低基準であり,理解の速い子には,より高度な内容を教えることも可能であることを明確にする。これまでもそうした建前ではあったが,現実には,全員一律の対応になっていた。このため,今回は,この趣旨を現場に徹底する。同時に,選択教科の拡大やいわゆる習熟度別学習指導など多様な指導方法を通じて子どもの個性や能力に応じた指導を進めていく。
(「よりよい教育を目指して」文部大臣 大島理森)

 ここで述べられていることは大きく二つである。

・ 学習指導要領に示された「基礎・基本」については,全員が確実に習得できるよう徹底した指導を行う。
・ 学習指導要領は最低基準である。

 これは,私たちにとって,かなり厳しい言明であると受け取らなければならない。なぜなら,教課審は次のように答申しているからである。
 第一に,学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容の確実な習得を図るなどの観点から,学習指導要領に示す目標を実現しているかどうかの評価を重視し,現在いわゆる絶対評価を加味した相対評価をすることとされている各教科の評定を,目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)に改めること
 評価が,完全な絶対評価にシフトするということである。絶対評価を行うためには,到達基準を設定することになる。つまり,「基礎・基本の確実な定着」とは,子供たち全員が到達基準をクリアできているということなのである。そのような指導を行うことが求められているのである。
 こうした要求に応えられる学習指導を具現していくため,今年度は

「わかる」「できる」を保障する指導はどうあればよいか

を主題として設定し,研究を進めていくこととした。

3 研究内容

(1) 学力実態の分析

昨年度末に行った,学力テストを分析し,当校の子供たちの学力実態を明らかにする。

(2) 「わかる」「できる」を保障する指導法の研究(国・算)

 「基礎・基本の確実な定着」が実現された状態とは,子供たちが「わかった」「できた」と言える状態である。「わかる」と「できる」とは違う。「わかった」からといって「できる」とは限らないからである。「わかる」を保障するのは,基本的に授業においてである。しかし,「できる」を保障するためには授業を中心とした一連の学習システム(授業,個別指導,朝学習,家庭学習等を含んだ学習過程)が必要である。「できる」ようになるためには習熟の過程が必要となるからである。
 上を踏まえ,次の二つについて,授業研究を通して研究していく。

「わかる」を保障する授業はどうあればよいか。
「できる」を保障する学習システムはどうあればよいか。

 子供たちがどうなれば「わかる」「できる」を保障したことになるのか。その判断基準を基本的に次のように設定する。

評価規準に対する到達度が80%以上

 なぜ,80%なのか。評価の観点によって,その基準設定は90%が妥当であったり,70%が妥当であったりするだろうが,それらを平均すると80%程度が妥当であると考えられるからである。評価基準設定に関する先行研究の多くが80%程度に設定している。
 評価方法は,評価規準に応じてペーパーテスト,作品,ノート,レポート等,多様になるであろうが,単元毎に子供たちの到達度を評価する際は,市販テストを共通の指標とする。次の理由による。
 第一に,すべての学年が単元毎の評価をするために採用しているからである。
 第二に,多くの目で検討を経てきたものであり,単元毎の到達度を評価するために妥当性をもっていると考えられるからである。市販テスト以上の妥当性と信頼性をもったテストを自作することは困難である。
 なお,単元の内容により,市販テスト以外の評価方法をとる場合は,客観的な到達度基準を明確にする。
ここでの研究対象は国語・算数とし,「基礎・基本」とは学習指導要領に示された内容とする。

(3) 英語活動の充実

 平成12年度より実践を行ってきた当校の英語活動も,今年度で3年次を迎える。この2年間で,1年次指導計画と2年次指導計画の作成を終え,実践記録を蓄積してきた。
 先に引用した「よりよい教育を目指して」の中で,文部大臣(当時)は,「教育の目的」の第一に次を挙げている。

基礎的な学力(読み・書き・計算,世界の中で生きるための外国語や情報活用能力)の向上

 ここには,「世界の中で生きるための外国語」が基礎的な学力として,明記されている。「コミュニケーション能力を育てる」ことを目指している当校の英語活動は,まさにここをねらったものである。
3年次を迎えた今年度は,コミュニケーション能力を育成するための英語活動の在り方をより明らかにし,さらなる充実を図るため,次の三つを行っていく。

1年次指導計画の修正と実践記録の蓄積(3年生)
2年次指導計画の修正と実践記録の蓄積(4年生)
3年次指導計画の作成と実践記録の蓄積(5,6年生)

(4) 通知表「あゆみ」の改訂(評価規準の作成と評価基準の設定)

新学習指導要領の完全実施に伴い,通知表「あゆみ」の評価項目を改訂する必要がある。国立教育政策研究所が作成した「評価規準」及び県義務教育課が作成した「評価規準」等を参考にしながら評価項目を作成する。また,今年度からは完全な絶対評価をしなければならない。絶対評価の評価基準は次を目安として統一することとする。

A・・・80%以上
B・・・50%〜80%
C・・・50%以下

(5) 学力テストの実施と分析

年度末に,学力テストの実施と分析を行い,今年度研究の評価材料にするとともに,来年度への参考とする。

4 研究方法

(1) 昨年度の学力テスト分析を現担任が行い,学力実態を明らかにする。

(2) 国語・算数・英語を対象とした授業研究を次のように行う。

@ 国語3回,算数3回,英語1回の研究授業実施(それぞれ1回ずつは,外部指導者を招き,指導を仰ぐ)
A外部指導者を招いての授業研究については,全体での指導案検討を行う。その他の授業については,研究協議会のみを行い,指導案検討は行わない(情報交換等は積極的に行う)。
B 授業者は研究協議会を受けて,実践を評価・反省し,その成果と課題を明文化する。
C上の研究授業の他,積極的に日々の実践を公開し,指導力向上を図る。その際,指導案は必ずしも必要としない。
D 研究授業の指導案等は,できる限りHP上で公開し,外部批判を仰ぐ。

(3) 通知表「あゆみ」の作成日程については,後日研推から提示する。

 国立教育政策研究所及び県義務教育課の作成した「評価規準」については,教務室コンピュータの共有フォルダ(平成14年度研推)に保存済みなので,必要に応じて活用する。

(4) 学力テストは2月に実施し,年度内に担任が分析・考察を加える(形式等は後日提示)。
(5) 年度末に「研究のまとめ」を印刷・製本する。

5 研究日程

内容
担当
研究計画の作成
英語指導計画の修正と作成
研推
英語部
研究計画の検討(5/29)
学力テスト分析
全体
各担任
学力テスト分析
通知表評価項目の作成
第1回授業研究(6/13)英語
(下越教育事務所主事訪問)
各担任

(渋谷)
第2回授業研究 (   )
学習指導案作成,指導法研究等 (   )
第3回授業研究 (   )
10
第4回授業研究 (   )
11
第5回授業研究 (   )
12
第6回授業研究 (   )
第7回授業研究 (   )
『研究のまとめ』原稿作成
学力テスト実施
学力テスト分析
各授業者
各担任
『研究のまとめ』発行 研推

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