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平成15年度 校内研修計画

1 研究主題

論理的な文章を書く力を育てる指導

2 主題設定の理由

 当校では3年間に渡り,算数の学力向上をねらい,研修を進めてきた。その結果,NRTの数値向上をはじめ,一定の成果を見ることができた。
 しかし,国語科NRTの結果を見ると,「書くこと」「読むこと」領域の落ち込みが見られる。
 そこで,今年度は国語科を対象に「書くこと」領域に焦点を当てて研修を進めていくことにした。「書くこと」には,国語学力のほとんどが集約されており,「書く力」を伸ばすことは,必然的に他領域の学力を高めることにもなるからである。
 昨年度より新学習指導要領が全面実施された。教課審答申に示された「国語科の改善の基本方針」に次の文がある。

 特に,文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め,自分の考えをもち,論理的に意見を述べる能力,目的や場面などに応じて適切に表現する能力,目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てることを重視する。

 また,「小学校学習指導要領解説 国語編」には次の文がある。

 これからの書くことの指導においては,社会生活に生きて働くように,目的や意図に応じて適切に表現する能力の育成が求められている。

 求められているのは,名文・美文ではない。読み手に分かるよう,自分の考えを論理的に表現する力を育てることが求められている。
 このような要求に応えられる学習指導を具現していくため,今年度は標記の主題を設定し,研修を進めていくこととした。

3 研修内容

(1) 言語事項の定着
 どんなに論理的な構成で書かれた文章であっても,誤字や脱字,主述のねじれ等があっては,人に伝わる文章とはならない。文章を書くために必要な言語事項の指導を徹底し,定着を図る。言語事項については市販テスト等の平均が9割を超えることを目標とする。

(2) 題材設定
 学習指導要領に示された言語活動例やその他の先行実践を参考にし,例えば,次のような観点から題材を設定する。
・書く意欲を喚起する題材
・目的意識・相手意識が明確になる題材
・客観性・論理性が必要とされる題材
・子供にとって身近な題材

(3) 書く力の具体的な明示(評価基準の設定)
 学習指導要領に示されている各学年「書くこと」の目標は次である。

[第1学年及び第2学年]
 経験した事や想像した事などについて,順序が分かるように,語や文の続き方に注意して文や文章を書くことができるようにするとともに,楽しんで表現しようとする態度を育てる。
[第3学年及び第4学年]
 相手や目的に応じ,調べた事などが伝わるように,段落相互の関係などを工夫して文章を書くことができるようにするとともに,適切に表現しようとする態度を育てる。
[第5学年及び第6学年]
 目的や意図に応じ,考えた事などを筋道を立てて文章に書くことができるようにするとともに,効果的に表現しようとする態度を育てる。

 評価が絶対評価へとシフトした。目標に準拠した到達度評価をしなければならない。これを可能にするためには,「書く力=(目標)」を明確にし,評価基準を設定しなければならない。これが曖昧であると,子供たちに「書く力」を育てたのかどうかも曖昧になるからである。
 そこで,指導要領に示された各学年の目標をもとに,「論理的な文章を書く力」の評価基準を粗く次のように設定する。

[第1学年及び第2学年]
・経験した事や想像した事などについて200字程度の文章を書くことができる。
・順序を表す言葉を三つ以上使って書いている。
・ねじれた文がない。
・既習のひらがな,カタカナ,漢字を正しく使用している。
[第3学年及び第4学年]
・調べた事などについて400字程度の文章を書くことができる。
・「はじめ」「なか」「まとめ」の構成で3段落以上の文章を書く。
・ねじれた文がない。
・既習の漢字を正しく使用している。
[第5学年及び第6学年]
・考えた事などについて400〜600字程度の文章を書くことができる。
・「はじめ」「なか」「まとめ」「むすび」等の構成で5段落以上の文章を書く。
・ねじれた文がない。
・既習の漢字を正しく使用している。

 上は,あくまでも評価基準の骨である。各単元の指導内容に応じて,授業者は育てたい「書く力」を明確にし,評価基準を設定する。

(4) 書く力を育てる指導法研修
 授業者は,明記した「書く力」をどのような方法で指導するのかを提案する。その際,指導法は新しいものである必要はない。先行実践に学びながら,「子供に力をつける」という一点のみから指導法を提案し,有効な指導法を互いに学び合うことによって,指導者の力量を高める。

(5)  書く力を育てる日常的な指導の蓄積と共有
 学習指導要領では,低学年90時間,中学年85時間,高学年55時間を「書くこと」の指導に使うことが明記されている。また,村上市・岩船郡では『「書くこと」の指導計画』も作成されている。
 しかし,子供たちの「書く力」は「書くこと」の単元だけで身に付くものではない。ノート指導,言語事項の指導など,年間を見通した日常的な指導が不可欠である。
 そこで,ノート指導や言語事項の指導をはじめとする「書く力」を育てるための日常的な指導を蓄積し,有効な指導法を共有する。

4 研修方法

(1) 学級担任全員が1回以上の公開授業を行う。
(2) 指導案検討は学年部+学力向上推進部+希望者で行う。ただし,外部より指導者を招く場合は,全員検討とする。協議会は,すべての授業について行う。
(3) 授業者は研究協議会を受けて,実践を評価・反省し,その成果と課題を明文化する。
(4) 「書く力」を育てる日常指導について実践を蓄積し公開する。
(5) 昨年度のNRTテスト分析結果を今年度の指導に生かす。
(6) NRTテストを実施し,年度内に担任が分析・考察を加える。
(7) 授業者が明文化した「成果と課題」を共有できるかたちで整理する(学力向上推進部)。

5 研修日程

内容
研修計画の作成,実態把握
「書く力」を育てる指導の見通しを立てる
指導案作成等
授業研究
学年指導プラン作成、1学期の実践情報交換、指導案作成
授業研究
10
授業研究
11
授業研究
12
授業研究
授業研究
『研修のまとめ』原稿作成
学力テスト実施
学力テスト分析
学力テスト分析
『研修のまとめ』発行

※ 計8回の授業研究となるので,上のプランで行くと2本の授業研究を行う月が2か月となる。
※ 担任は,授業単元等を考え,授業希望月を学力向上推進部まで報告する。

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