●第7時(『五月』と『十二月』を対比する)

【五月】
かわせみ
・はじが黒い
・動物
・黒くとがっている
・魚を奪っていく
かにの子供が小さい
クラムボン

なめらかな天井
白いかばの花びらがすべって流れる
青白い水の底

日光の黄金→魚によってまるっきりくちゃくちゃにされた
銀色に変に底光り→光のあみはゆらゆら伸びたり縮んだり

【十二月】
やまなし
・黄金のぶち
・植物
・黒い丸い大きなもの
・いいにおいとお酒を与えてくれる
かにの子供も成長
あわ
イサド(楽しく魅力的な場所)
天井で花見が青白い火を〜
やまなしがぼかぼか流れる
冷たい水の底

ラムネのびんの月光→月が明るく水がきれい
月明かりの水の中→月光のにじがもかもか集まりました。
波は、いよいよ青白いほのお
金剛石の粉をはいているよう。

まず、子供たちに前の時間にまとめられた『五月』と『十二月』の対比をもう一度示します(模造紙に書いておいたものです)。
そして、再度問います。

これらの対比をまとめて考えると、『五月』と『十二月』は何と何の対比ということができますか。ノートに書きなさい。

前の時間に出しておいた問いですので、そんなに時間はいらないと思っていたのですが、10分ほどかかりました。それでも結局3名は自分の考えがまとまりませんでした。その子供たちには「友達の考えを聞いて、一番いいと思うものを選んでね。」とつげて発表に移ります。
次々に考えが発表されます。

『恐ろしい世界』と『平和な世界』
『恐ろしい谷川の底』と『平和な谷川の底』
『暗い世界』と『明るい世界』
『かたい出来事』と『朗らかな出来事』
『悲しみ』と『幸福』
『子供の考え』と『大人の考え』
『かわせみの恐さ』と『やまなしのいい匂い』
『悪いこと』と『いいこと』
『明るい世界に暗い出来事』と『暗い世界に明るい出来事』

最後に翔君が発言してくれた『明るい世界に暗い出来事』と『暗い世界に明るい出来事』という対比が他の子供たちには分かりにくかったようですので、彼に説明を求めました。彼は次のように話し始めました。

「五月は『日光の黄金』から分かるように、朝か昼の明るい世界です。しかも春です。でも起こっている出来事は暗いものばかりです。反対に十二月は『ラムネのびんの月光』から分かるように、夜の暗い世界です。そして冬です。でも起こっている出来事は明るいものです。そういう意味で、『明るい世界に暗い出来事』と『暗い世界に明るい出来事』という対比だと考えました。」

全員納得。そして多くの子供たちの賛同を得ました。最初に考えが書けなかった子供たちも、このように友達の考えを聞きながら学んでいきます。
『表現上の対比を考え、その後それらの対比の意味するものを考えてみる』という学習は『やまなし』のように強い象徴性を持った物語を読むときに非常に大切なことなのです。

ここで、子供たちに聞いてみました。

『やまなし』という意味のよく分からない物語、対比の勉強をしてみて、ちょっとは謎を解く光が見えてきた人?

3分の1ほどが手を挙げました。まぁ予想通りです。まだまだ謎が多すぎます。
「クラムボンってなんなの?」
「やまなしって何を象徴しているの?」
これらの問いにはまだ答えが出ていないからです。そしてこれらの答えを出すためにはもう少し別な道を通らねばなりません。

その道とは・・・。

戻る