クロヒョウは明日もほえるか

4年生最初の物語文『ガオーッ』の学習を終えようとしています。こんな物語です。

動物園を舞台にした物語です。ライオンとクロヒョウが主な登場人物となっています。老齢のライオンはお客さんへのサービス精神が旺盛ですが、一方の若いクロヒョウはお客へのサービスなど必要ないと考えています。
ある日、サービスのしすぎで声が出なくなってしまったライオンはお客さんを楽しませることができず、困ってしまいます。その時、隣りの檻にいたクロヒョウがかわりに「ガオーッ」とほえたのです。
お客が言ってしまうと、クロヒョウはライオンにぼそりと声をかけます。
「今日だけだぜ。声が治ったら、ライオンさんがやってくれよ。」
ライオンは明日に備えてガラガラとうがいをします。

金曜日、子供たちに問いました。

クロヒョウは明日もほえるでしょうか。ほえると思う人はノートに○、ほえないと思う人はノートに×。

○か×かをさっとノートに書かせます。ノートに書かせるのは、一人残らず全員に自分の考えをもたせるためです。問いを出して、すぐ手を挙げさせると、手を挙げた子供だけで学習が進んでしまい、学習に参加しない子供を生んでしまいます。
子供たちの考えは次のように分かれました。
ほえる・・・・2名
ほえない・・29名
理由を発表してもらう前に言いました。

クロヒョウはほえるかもしれないし、ほえないかもしれません。これはどちらも正解なのです。教科書には書いていないからね。でも、自分はなぜそう考えるのか、その理由がはっきりしていなくてはなりません。「何となくそう思う」では○はやれません。さあ、理由をお尋ねします。なぜそう考えるのですか。

まずは【ほえる派】の子供たちを指名しました(授業では少数派から発表させるのが原則です)。
「ぼくは、ほえると思います。きっと幼稚園の子供たちが『またほえないかなぁ』と言うと思うからです。」
「それにまた注目されるからです。」
続いて【ほえない派】の子供たちです。
「18ページで、クロヒョウは『今日だけだぜ』と言っているからです。」
「ライオンの声が治れば、クロヒョウがほえる必要はなくなります。」
「それに、クロヒョウは『声が治ったらライオンさんがやってくれよ。おれは、こういうのは好きじゃないんだから』とも言っています。」
今のところ、【ほえない派】が優勢です。教科書に書かれている言葉を根拠としているからです。一方、【ほえる派】の理由は自分の想像でしかありません。
ところが、ここで【ほえる派】のKくんが次の発言をしました。
「クロヒョウは『今日だけだぜ』とか『おれは、こういうのは好きじゃない』とか言っているけれど、同じページに『おこっているような言い方でしたが、本当は照れくさかったのです』と書いてあります。クロヒョウだって、本当はほえたかったのだと思います。」
これはすごい発言です。誰も着目していなかった言葉に着目し、それを根拠に自分の考えを述べているからです。

さっき言ったように、この問題ははっきりした理由さえあればどちらも正解です。もう一度お尋ねします。どちらですか。

ほえる・・・・5名
ほえない・・26名
ほんのわずかですが、【ほえる派】が増えました。Kくんの意見に動かされたのでしょう。

来週、みんなにこの物語の続き『続・ガオーッ』を書いてもらいます。「ほえる」と考えた人はクロヒョウがほえる物語を、「ほえない」と考えた人はクロヒョウがほえない物語を書いてみましょう。

こう予告してこの時間を終えました。子供たちがどんな物語を書いてくれるのか楽しみです。

※ 明日から家庭訪問が始まります。お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。