厳密に読み、問いに正対する

 ホタルは、どんな一生を送るのでしょう。
 ゲンジボタルは、川岸の岩や木の根元に生えているコケの上に、たまごを産みます。コケのある場所は水分が多く、日光もほとんど当たらないので、たまごがかんそうしないのです。
 約一か月後、たまごからかえったよう虫は、体長一・五ミリメートルほどで、たまごから出るとすぐ、ジャンプするようにして水面に落ちていきます。よう虫の水中生活の始まりです。
 よう虫は、川底にすむまき貝、カワニナを食べて、脱皮を六回もくり返しながら、成長していきます。春がやってくるころには、よう虫は二・五センチメートルくらいになっています。
 成長したよう虫は、雨の夜、次々と陸に上がって、やわらかい土の中にもぐりこみ、そこに自分が動けるだけの小さな部屋を作ります。その部屋の中で、よう虫は、約四十日間、じっと体を丸めています。
 春のさかり、川の水がぬるむころ、よう虫はまっ白なさなぎになり、さらに十日め、さなぎの皮をぬいで成虫になるのです。
 成虫になったホタルは、そのまま、地下の部屋で三日間ほど休んでから、夏の初めの暗い静かな夜に、いよいよ地上に出ていきます。
 このように、ゲンジボタルは、よう虫からさなぎまでの長い時間を、水の中と土の中ですごします。そして、地上に出てからは、約二週間の短い命をもやすようにして光り続けるのです。

「ホタル」栗林 慧

私が留守にした自習時間に行った国語のテスト、昨日その解答を行いました。説明文を読んで、問題に答えていく形のテストです。通常のテストであれば、授業で学習した文章が対象となるのですが、今回は違います。『四年のまとめ』では、テストを配られて初めて子供たちは文章を読むことになります。上がその説明文です。
テスト問題は総じて簡単でした。ここでは多くは触れません。一問だけを紹介しておきます。

よう虫は、何回だっぴをくり返して成長していきますか。

一読すればお分かりですね。正解は

六回

です。間違えようがありません。しかし、間違えた子供もいるのです。何と書いたのでしょうか。こう書いたのです。

6回

私が、これが誤答であることを告げると、間違えた数人の子供たちから「エーッ」という声が挙がりました。しかし、問題にはこのように正確に答えるのだということは、春から何度も言ってきていることです。「エーッ」と言った子供たちには笑顔でこう告げました。

本文の中に「6回」という言葉を見つけたら○にしてあげます。探していらっしゃい。

意地悪だとお思いですか。違うのです。「文章を厳密に読むということ」「問いに正対して答えるということ」はきちんと教えないといつまで経っても身に付かないことなのです。
因みに、ふだん連絡帳をいい加減に書いて済ませている子供にこのような誤答が多く見られました。

さて、テストの解答は短時間で終えてしまいましたので、おまけの問題を出してみることにしました。

ノートを開きなさい。1〜10まで番号を振ります。先生がこれからもう10問、口で出題しますから、答えだけをノートに書いていきなさい。

たった今、厳しさを再確認した子供たちです。ちょっとした緊張が走ります。
私の出題は次の10問です。

1 段落は全部でいくつありますか。

2 「問いかけ」の一文を見つけて書き抜きなさい。

3 「問いかけ」にズバリと答えている段落の番号を書きなさい。

4 川岸の岩や木の根元には何が生えていますか。

5 たまごからかえったよう虫の体長はどのくらいですか。絵にかいてごらんなさい。ただし、定規を使ってはいけません。

6 春がやってくるころには、よう虫はどのくらいの大きさになっていますか。同じように絵にかきなさい。

7 よう虫が土の中で、じっと体を丸めている期間は、次のどれに近いですか。一番近いものを選びなさい。
 A 春休みと同じくらい
 B 夏休みと同じくらい
 C 冬休みと同じくらい

8 ゲンジボタルは、たまごからかえってから成虫になるまでにどのくらいかかりますか。一番近いものを選びなさい。
 A 一か月
 B 三か月
 C 一年

9 ゲンジボタルが多く見られる季節はいつですか。

10 この説明文の筆者の名前を漢字で書きなさい。

解答は次号で