なりきり作文

「なぜだ!なぜだ!なぜなんだぁー!」
「何を悩んでいるの?そんなときは、逆転の発想だよ。」
「逆転?ゼナだ!ゼナだ!ゼナなんだぁー!あっ。ナルホド。」

 上は、私が通勤中に聞いているラジオから流れてくる栄養ドリンクのCMです。
 さて、右に紹介したのは、先週子供たちが書いた「なりきり作文」です。自分ではない他の物になりきって、作文を書く。それが「なりきり作文」です。
 他の物になりきることによって、子供たちには、視点の転換が要求されるわけです。視点を転換することによって、新しい思考が生まれます。今までとは違った目からものを見ることができるようになるからです。
 子供たちの逆転の発想。お読みください。

今日のスケジュール
美咲
 つり上がった目。長いシッポ。とんがったつめ。そうさ、私はネコだ。でも、ただのネコじゃない。青木美咲様が飼っているトラネコのコトだ。私はいつもコトーッってよばれている。今日の朝飯はキャットフードだったかな。
「よいしょニャ。」
さて、飯も食ったし遊びに行くかぁ。
「どこに行こうかニャ。」
 町は昨日行ったし、ネコ会議は明日だし。そうだ!学校へ行こう!美咲様のいる学校に!
「ちわーっす!ニャ。」
「あ、マル、ニャ。」
 私の家のとなりに住んでいる白ネコマルが来た。
「これから学校へ行くニャけど、マルも行くニャ?」
「オウ!ひまだから行くニャ。」
私とマルは、学校へ向かった。
「おくさまお聞きになりました?」
「いらっしゃいませ。」
 学校へ行く道はにぎやかだ。さぁ、学校が見えてきた。
「ここニャ?」
「ここニャ。」
ドアを開けて、中に入ろうとしたその時!
「?開かないニャ。」
「今日、何曜ニャ?」
「日曜ニャ。」
「じゃあ、学校は休みニャ。」
「帰ろニャ。」
 こうして、学校には入れないまま帰った。明日は行くぞ!
というのが今日のスケジュールだった。

いす
刈屋天幸
 ぼくはいすです。人が乗ると重いです。勉強をしているときもぼくの上に乗っているから重くてつかれました。
 そして、休み時間になると、ぼくはおいてけぼりにされて、すわっている人は遊びに行っちゃうから、ぼくはどうしたらいいかわかりません。でも、たまに、ぼくにだれかがすわります。
 昼休みになると、みんなつくえとぼくをさげています。ぼくは、つくえの上にさかさまに乗っけられて、けっこうつらかった。
 そうじをしているときに、ぼくはもとどおりにされます。
 授業が終わり、みんなが帰りました。いのこりの人も帰ってぼくはまた一人になりました。

私は木
遠山萌
 ザァー、ザァー。
 今、雨がふっている。ふつうのいつもの雨だ。
 最近は、私たち木が二酸化炭素をすいとっているのに、人間はあんまりいいことをしてくれず、ぎゃくに私をこまらせる悪党のようなものだ。
 人間は、車という速いスピードを出すものに乗っている。その車の後ろから出る排気ガスのけむりは、どんどん雲に近づき、「酸性雨」という雨がふる。
 そんなことが起こると、水がよごれ、魚が死んでしまい、植物が弱くなってしまう。そうなると、酸素がすえなくなり、人間も弱りはててしまうと私は言いたい。
 おっ、鳥の声がするぞ。何を話しているのだろう。
ピーピー、ピーピー。
カッコウ、カッコウ。
 ジリジリジリ、ブーブー。
 ん、大変だ。木が切られている。そのうち、私も切られるときがくるだろう。