水曜日の道徳の時間です。


おもむろに上の漢字を黒板に書き、子供たちに問います。

何と読むのでしょう。予想してノートに書いてごらんなさい。ちょっと、難しいかな。漢字の意味を考えると分かるかもしれないよ。「身に付けて、身を美しく飾るもの」です。でも、着るものじゃないよ。

「ええっ、分からないよ。もっとヒント!」
と子供たち。

多くの場合、親が子供に身に付けさせるものです。

これで、かなりの子供が正解を書いてきました(これでも分からない子供には「最初の文字は『し』だよ」と教えましたが)。

「しつけ」と読みます。躾というのは自分の身を美しく飾るものなのです。それでは、君たちが「これはお家の人からしつけられたことだな」と思うことをノートに箇条書きにしてごらんなさい。

「あいさつ」「話の聞き方」「嘘をつかない」「食事のマナー」「風呂の入り方」「トイレの使い方」「交通ルール」・・・。

一昨日、校長先生が『学校だより』に「躾」というタイトルで、ある文章を紹介されました。これから君たちに配ります。

こう言って、月曜日に配布した『学校だより』を再度、子供たちに配り、読み聞かせます。昨年2月17日付、朝日新聞『天声人語』の文章です。

▼「私の店で、磁石を磁石という名前で売っていたころは、子どもたちは昔どおりの普通の子どもたちでした。それがエレキと呼ばれ、マグネットというようになって、変わってしまいました」▼73歳のその女性は、小さな駄菓子屋の奥からもう40年以上も、子どもたちを見てきた。東京の、団地やアパートの多い地域に店はある。商うのはジュース、スナック菓子、カップめん、おもちゃなど。彼女は、ずっと立ったまま店番をしている。▼座ると、棚の陰が死角になる。そこに置いた菓子を、子どもたちがこっそり持っていくのだ。「私1人なので、おちおちトイレにも行けません」。ボールが家の中に飛び込んじゃった、と子どもが言った。「はい、はい」と取って戻ったら、商品がごっそりなくなっていた。▼おもちゃは天井から、ひもでつるしてある。これも万引き防止のためだ。盗もうとした子に注意すると、「失敗だ」「損した」と、あっけらかんとしている。悪いことだという意識が欠けているとしか思えない。▼近くで遊んでいた子が入ってきて「おばさん、お手ふき」「足すりむいた。カットバン」と手を出す。渡しても「ありがとう」でも「すいません」でもない。30円のくじを引いた男の子が、当たった菓子が気に入らなかったらしく、飲んでいたジュースをペッとこちらに吹きかける。どれもこれも、親の顔が見たい。▼せめて自分の店に来た子どもたちはきちんと育ってほしい、と日々、注意を繰り返す。でも、うれしいこともある。物を取りに、サンダルを脱ぎ捨てて奥の部屋に行った。帰ってくると、サンダルがきれいにそろえてある。4年生の女の子だった。「たぶん、家族が自然にそうしているのでしょうね」▼子どものしつけについて書いたら、たくさん手紙をいただいた。その1人に詳しく話をうかがった。

この文章を読んで、今、あなたの考えていることをノートに書いてごらんなさい。

子供たちの文章をいくつか紹介します。

結花
しつけというのは、とてもめんどくさく、友達や親に注意されると、うるさく聞こえる。ときにはムカツクこともある。
でも、それは親や友達が私のことを思ってしてくれていることだから、いいことだと思う。だから、これからは、その気持ちをなくさないようにしようと思う。

康太
今、ぼくは学校だよりの文を読んで、「こんな子供たちもいるんだな〜」と思っている。どうしてそうなったのかなあ?どうして判断できないのかな?もうちょっと、判断して行動した方がいいと思う。

沙紀
躾がしっかりしていないと、佐藤勇先生が書いていたお話のように、万引きをすることになっちゃうんだ。よし、私はこれからも親の躾を守るぞ。
この文を読んで、私はすごくシュンとなりました。「こんな子供がいるんだな」と思って。私は文章に書いてある四年生の女の子のように、いや、それ以上にお手伝いをしたいと思います。

月曜日は学習参観日です。参観授業は道徳です。この時間の続編をやろうと考えています。
かつて、森信三という教育学者が日本の家庭教育でなされてきた躾を研究し、『躾の三原則』を発表しました。みなさんは「家庭教育で最も重要な躾を三つ挙げよ」と言われたら何を挙げられますか。森先生が挙げた三原則。授業参観で明らかにいたします。