漢字の読み書き能力

NO.146で「基礎・基本」について書きました。
現在、21世紀型の基礎学力は

読み・書き・算 + 英語・コンピュータ

と言われています。前者三つは昔から変わることのない不易の基礎学力であり、後者の二つはこれからのグローバル社会を生きていく子供たちに必要とされている学力です。
さて、今回は不易の基礎学力のうち、「漢字の読み書き能力」について書いてみることにします。
ここ数年、あらゆる文章がコンピュータで打たれるようになり、手書きで書かれた文章を目にする機会はずいぶんと減りました。それだけ手で文字を書く機会も減ってきているわけです。この方向性は進むことはあっても戻ることはないと考えられます(いいか悪いかは別ですが)。そして、このような流れの中で、漢字学習のもつ意味が昔とは少しずつ変わってきていることも確かです。
しかし、なおかつ「漢字の学習」は決定的に重要です。なぜでしょうか。それは、漢字の読み書き能力が子供たちの思考を規定してしまうからです。漢字を知らなければ、その漢字を使って思考することができなくなってしまうわけです。
例を述べましょう。5,6年生の社会科教科書を開いてみます。子供たちが抵抗感を感じるであろう熟語が次々と登場します。例えば次のような言葉です。

自然環境 工業生産 土地利用
民主主義 基本的人権 大政奉還

子供たちはなぜこれらの熟語に抵抗感を感じるのでしょうか。漢字の画数が多いから?それもあるでしょう。しかし、最も大きな理由はこれらの熟語が抽象的な概念を表す言葉だからです。同じ熟語であっても、「犬小屋」「教科書」「連絡帳」といったものであれば子供たちはそれほど大きな抵抗は感じません。具体物として目で見ることができるからです。それに対して、先に挙げたような語は目で見ることができません。このような語を理解するためには、抽象的な思考が要求されるわけです。
漢字を覚えるということは、その文字に付随した抽象的な概念を理解するということであり、思考範囲を広げるということなのです。漢字の読み書き能力が子供たちの思考を規定してしまうというのは、このような意味です。
かたい話になってしまいました。お許しください。

では、子供たちの漢字能力の実態はどうなのか。分かりやすくテストの点数でお伝えいたします
5年生が使用している漢字教材は「あかねこ漢字スキル」という教材です。見開き2ページが一つの学習単位となっており、2ページ終わるごとに10問のミニテストを行います。今学期に入り、このミニテストを5回行いました。下がその平均点です。

1 89.7点
2 94.4点
3 93.4点
4 97.7点
5 97.8点

1回目は夏休みぼけがあったせいでしょうか、やや不満な結果となりましたが、残る4回はいずれも十分な成果をあげることができました。
そして昨日、1〜5までの50問テストを行いました。ずいぶん忘れているかなと思ったのですが、平均点は94.7点。子供たちは確実に漢字の読み書き能力を身に付け、思考範囲を広げることができています。
これまでに終えたテストは全て国語のノートに貼り付けてありますので、時折ご覧になり、子供たちに励ましの言葉をお願いいたします。