読書力

1学期末発行のNO.144で、子供たちの読書量が危機的状況であることを書きました。次のようにです。

上のグラフをごらんください。大半が1,2冊しか借りていません。4月からの4か月でこの結果です。残念と言うほかありません。週に1冊程度読んでいれば20冊くらいにはなります。この辺が5年生としての最低ラインでしょう。このラインを超えている子供はわずかに2名です。これは危機的状況と言っても過言ではありません。
テレビにゲームと子供たちの身の回りには読書以上に魅力的な誘惑がたくさんあることも大きな理由の一つでしょう。しかし、読書は脳を成長させるための重要な基礎体力です。どんなに情報網が発達し時代が変化しようとも、これは変わらない不易の事実です。基礎体力が不足していては伸びるものも伸びません。十分な走り込みを行っていないスポーツ選手にバテが来るのと似ています。

その後の子供たちはどうか。
2学期末に、図書館司書の樋口先生から我がクラスの「12月の貸出一覧表」をもらい、仰天しました。ズラッと並ぶ一つの数字。0です。時々申し訳程度に1というも見られますが、ほとんどの子が0なのです。私が「最低ライン」と書いた月4冊に届いている子供はわずかに1名という有様でした。

新聞等でご存知だと思いますが、12月12日に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されました。11条から成るこの法律の第2条には次のように「基本理念」が示されています。

子ども(おおむね18歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けている上で欠くことのできないものであることをかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。

この後、第3,4,5条は「国の責務」「地方公共団体の責務」「事業者の責務」と続き、第6条が次です。

(保護者の役割)
第6条
父母その他の保護者は、子どもの読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣化に積極的な役割を果たすものとする。

このような法律が制定されるということは、日本全体で見ても、子供たちの読書量が危機的状況であることを示しています。
さらに、1月17日。文部科学省は『確かな学力の向上のための2002アピール 「学びのすすめ」』を発表しました。その中に、次の文章があります。

また、昨年12月に公表された、経済協力開発機構(OECD)の「生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果によると、我が国の児童生徒の学力は、単なる知識の量だけでなくそれを活かして実生活上での課題を解決する能力についても国際的に見て上位に位置していることが明らかになりました。その一方で、我が国の生徒の「宿題や自分の勉強をする時間」は参加国中最低であること、最も高いレベルの読解力を有する我が国の生徒の割合はOECD平均と同程度にとどまっていることなどの結果も出ています。
これらは、これまでの我が国の初等中等教育において、知識や技能だけでなく、思考力、判断力などまで含めた学力の育成に向けて取り組んできたことの成果の現れであるとともに、学びへの意欲や学ぶ習慣を十分身に付ける、あるいは、一人一人の個性や能力を最大限に伸ばしていくといった課題を示すものであると考えます。このような課題については真摯に受け止め、改善に向けた努力を惜しんではなりません。

学校だけではできません。家庭だけでもできません。両者が手を携えて、上のような事態を変えていく必要があるのです。
6号にわたってお伝えした「インターネット活用能力」。これも確かに大切です。しかし、私はそれにも増して「読書力」が重要だと考えています。「インターネット活用能力」をもった子供よりも、「読書力」をもった子供の方が絶対に伸びるという、確信に近い思いをもっているからです(もちろん両方もってほしいのですが)。
1月。朝読書と『ハリー・ポッター』効果によって、子供たちの読書量は増えました。喜ばしいことです。読書は癖です。習慣です。今日から2月。後ふた月で6年生です。本好きで知的な高学年に育ってほしいものですね。