わかば

わかばを見ると
むねが晴れ晴れするけど、
ほんとはぼくら子どもも
人間のわかば。
ほら、天が
あんなに晴れ晴れしている。
ぼくらを見下ろして。

上は、国語の教科書、扉ページにある詩です。水曜日、この詩で1時間学習しました。
まずは音読です。全員一斉に読ませてみたのですが、どうも元気がありません。そこで、私はこう言いました。

息を吸いながら「おはようございます」と言ってごらんなさい。

子供たちは何とかやろうとしていますが、うまくできません。当然です。

言えないでしょう。人間が声を出すときには息を吐いているのです。だから、空気をたっぷりと吸わなければ、いい声は出ないのです。ところで、吸った空気はどこに入るのですか。そう、胸やおなかだね。背筋がシャンと伸びていないと、胸やおなかがつぶれてしまいます。空気の入る場所がなくなっちゃうんです。
よし、背筋をシャンと伸ばして、空気をたっぷり吸って、「おはようございます」って言うんだぞ。

『おはようございます!』

驚くほど元気な声が出たところで、教科書に戻ります。今度は、さっきの子供たちとは別人のようにさわやかな声で音読ができました。

問います。

晴れ晴れしているのは何ですか。ノートに書きなさい。

子供たちは改めて詩を読み直し、ノート作業に入りました。私はノートを見て回ります。「むね」と書いている子供が圧倒的です。「天」と書いた子供が数名、「むね」と「天」両方を書いている子供はわずかに3名でした。
正解を確認したところで、さらに問います。

「むねが晴れ晴れした理由」と「天が晴れ晴れした理由」は同じですか、違いますか。同じだと思う人はノートに○、違うと思う人はノートに×。

○が4名、×が19名という結果です。
なぜ○とつけたのか、なぜ×とつけたのか、理由を発表してもらいます。
○をつけた4名はうまく理由を言えませんでした。
×をつけた子供が手を挙げます。
「むねが晴れ晴れしたのは、わかばを見たからだけど、天が晴れ晴れしたのは、下を見下ろしたからです。」
この意見を聞いて、○をつけた子供が揺れ始めます。しかし、まだ×には変えきれないようです。

むねが晴れ晴れしたのは、わかばを見たからですね。では、天が晴れ晴れしたのは何を見たからなのですか。

この問いで、×をつけた子供たちの数名がつぶやき始めました。
「ああ、天は人間のわかばを見たから晴れ晴れしたんだ。」

むねが晴れ晴れしたのも、天が晴れ晴れしたのも「わかば」を見たからなのですね。みんなは子供です。人間のわかばです。どんどん大きく成長できるといいね。

最初の国語の学習でした。