文章の要点をつかむ

説明文「まとまりを考えて」という単元の学習を終えようとしています。この単元は『ヤドカリのすみかえ』『ありの行列』という二つの教材文から成っています。比較的短い『ヤドカリのすみかえ』で学んだ力を、それよりは少々長い『ありの行列』で習熟させるという構成です。
では、この単元で学ぶ力とは何か。一言でいえば教科書の単元名の通り「まとまりを考えて読む力」です。文部省の学習指導要領で「文章の要点を正しく理解しながら、内容を読み取る」と記述されている力です。
しかし、子供たちにおもむろに「この文章の要点は?」と尋ねたところで、分かるわけもありません。どのようにすれば文章の要点をとらえることができるのかを教える必要があります。他の文章を読んだときにも子供たちが使えるような「読みの技術」として子供たちに身に付けさせる必要があるのです。
この単元でまず指導したのは「形式段落」という概念です。通常、一字下げで示されている文章のひとまとまりです。そして、形式段落ごとの要点を読み取ることを学習のねらいとしました。(当然教科書のねらいもそのようになっています。)
では、どのように要点を読み取らせるかです。形式段落の要点を読み取るには次の二つの技術が必要となります。

@ 中心文を見抜く
A キーワードを見抜く

『ヤドカリのすみかえ』で教えました。この文章は中心文がはっきりしており、それさえ分かれば要点が明らかになるのです。

形式段落の中で、一番大切な文、抜かしてはいけない文のことを『中心文』と言います。1段落目の中心文に線を引きなさい。

このような問いで、6つの形式段落の要点をとらえていきました。
ところが、『ありの行列』は、この方法だけで要点をとらえることができないのです。中心文を一つに絞ることができない段落があるからです。
そこで必要となるのがAの方法です。形式段落の中で抜かすことのできないキーワードを見つけ、それらをつないで要点を把握するわけです。ただ、これは口で説明しても子供たちはなかなか理解できません。誰もが知っている昔話「桃太郎」を例にとって練習しました。

「桃太郎」の話を知ってますね。「桃太郎ってどんなお話ですか」って聞かれたときに、抜かしてはいけないキーワードが5つあります。「桃太郎」のキーワード5つをノートに書きなさい。

みなさんなら何を挙げますか。
子供たちの考えは多様になると予想していたのですが、さにあらず。大方が一致しました。次です。
・桃太郎
・犬
・猿
・きじ
・鬼退治

では、「桃太郎が〜」という書き出しで、桃太郎の要点をまとめます。5つのキーワードをすべて入れて、一つの文を作ってごらん。

子供たちは答えました。
「桃太郎が犬と猿ときじをお供に鬼退治をしたお話」
「桃太郎」を使った練習で、Aの「キーワードをつないで要点をつかむ」方法も理解できたようです。
この後、『ありの行列』の要点を読み取っていきました。子供たちが読み取った要点のみを列挙してみましょう。

@ なぜ、ありの行列ができるのか。
A ウイルソンがじっけんをして、ありの様子をかんさつした。
B 行列は、はじめのありが通った道すじからはずれない。
C 行列をさえぎっても行列はできるし、帰るときも道すじはかわらない。
D はたらきありが道しるべになるものをつけておいたのではないか。
E ありは、おしりからとくべつのえきを出す。
F ありの行列ができるわけがわかった。
G はたらきありは、えさを見つけると地面にえきをつけながら帰る。
H ありの行列はにおいをたどってできる。
I えきのにおいは、ありのしゅるいによってちがう。

要点さえとらえられれば、『ありの行列』という少々長い文章でもすっきりと理解することができるのです。この学習だけではとても身に付けたということはできませんが、これからも習熟させていきたい「読みの技術」です。