道子の話・正人の話

金曜日、3年生だけが5時間目の授業を行いました。道徳の研究授業のためです。
授業は「いじめ」をテーマに行いました。そのときの様子についてお伝えします。
まず、右の二つの話を子供たちに配布し、読んで聞かせました。
そして問います。

このお話は、本当にあったお話です。二つのお話でどんなところが似ていますか。

・二人とも4年生
・二人ともいじめられている
・二人とも悪口を言われている

似ているところもあるけれど、違うところもあります。二つのお話でいちばんちがうのはどんなところですか。

・道子はじっとがまんしたけれど、正人はやり返している。

ここまでで、次のことが確認できます。

『同じ4年生である道子と正人は、両方とも学級の友だちからいじめられている。道子はじっとがまんしたが、正人はやり返した。』

ここで、この時間のメインとなる問いを出しました。

道子と正人、どちらのようにするのがよいのでしょうか。

さて、子供たちの反応はどうだったと思いますか。また、みなさんならどうお考えですか。
続きは次号でお伝えいたします。


正人の話

 正人は四年生の男の子。ちょっぴり太っています。そのことで、みんなからバカにされることがよくありました。
「デブ!」
「ブタ!」
そんなことばをあびせられると、何も言えなくなってしまいます。少しさびしそうにうつむいたまま、正人はいつもだまっていました。
 学校の行き帰りには、いきなり後ろから頭をたたかれたり、けられたりしました。でも、そのときも正人はだまったままです。教室でたたかれることもしばしばでした。

 ある日のことでした。昼休みに正人が自分の席にすわって本を読んでいると、典夫に声をかけられました。
「おい、正人!」
正人がへんじをする間もないうちに、ほほにきょうれつな痛みが走りました。典夫が思いっきりビンタをしたのです。もちろん、正人は何もしていません。
 ところが、いつもはだまっている正人が典夫をにらみつけました。典夫は、
「何だよぅ、その目は。もんくがあるのか。」
正人をにらみながら言いました。
 そのときです。
 バチン!
 教室にかわいた音がひびきました。いきなり立ち上がった正人が、典夫のほほを思い切りたたきかえしたのです。
道子の話

 四年生の道子は、お家の人のしごとのつごうで転校することになりました。今までなかのよかった友達と、はなればなれになるのはつらかったけれど、新しい学校で新しい友達と出会えるのもちょっぴり楽しみな気がしていました。
 ひっこしもぶじに終わり、いよいよ明日から新しい学校での生活がはじまります。
「どんな学校なのかな、みんなとなかよくなれるかな。」
その夜、道子はよくねむれませんでした。

 よく日、教室に入った道子に、おおぜいの友達が話しかけてきてくれました。道子は、「これなら楽しくやれそうだな」と思いました。
 ところが、楽しい日々がつづいたのはわずかに一しゅうかんでした。みんなの道子にたいするたいどがかわりはじめたのです。
「おまえのことば、へんだぞ。」
とわらわれ、
「とびばこもとべないのかよ。」
とバカにされました。ときには、何もしていないのに、けられたり、たたかれたり、つねられたりすることもありました。
 道子はくやしくてしかたありませんでした。でも、
「気にしないようにしよう、いつかみんなわかってくれる。まだ、わたしがこの学校になれていないからだ。」
道子はじっとがまんしました。