道子の話・正人の話(その2)

道子と正人、どちらのようにするのがよいのでしょうか。

プリントを配布し、子供たちに○印をつけさせました。
結果は次の通りです。
道子・・・9名
正人・・・13名

私が予想していたよりも『正人』を支持する子供が多数でした。
『道子派』の子供たちから順に理由を発表してもらいます。
「やり返すと、もっといじめられるからです。」
「やり返したら、ケンカになってしまうからです。」
「道子は友だちをなくしたくなかったのだと思います。」
「道子は転校してきたばっかりで、まだ新しい学校に慣れていないからがまんするしかないと思います。」
一方、『正人派』の子供たちからは次のような意見が出されました。
「やり返せば、もういじめられなくなると思います。」
「がまんしていると、またいついじめられるか分かりません。」
「叩かれたのだから、叩き返してもいいと思います。」

二つの意見の中に対照的なものがあります。それを取り上げて次のように尋ねました。

『道子派』の人は「やり返すともっといじめられる」と言いました。『正人派』の人は「やり返せばもういじめられなくなる」と言いました。まるっきり逆のことを言っているね。いったいどっちなのだろう。

もっといじめられる・・・3名
いじめられなくなる・・・19名

実は、『道子の話』『正人の話』には続きがあります。知りたいですか。

ここでちょっぴりじらしながら話の続きを配り、読んで聞かせました。次です。
読み聞かせた後で、もう一度尋ねました。

道子の話(続き)
いつの日か、道子がきゅうしょくとうばんをやっても、だれもうけとってくれなくなりました。そして、とうとうだれひとり、道子と口をきいてくれなくなりました。
ひと月たち、ふた月たち・・・。遠足に行ったときも、道子はひとりぼっちでした。
やがて、道子は学校へ行かなくなりました。家にいてもごはんも食べず、口もきかず、だまってどこかを見つめています。

正人の話(続き)
たたきかえされた典夫は、片手でほほをおさえ、立ちすくんだまま何も言えません。まわりのみんなも、おどろいたようすで二人のようすを見ています。まさか、正人がやりかえすとはだれも思っていなかったのでしょう。典夫は、
「ごめん・・・。」
小さな声でそうつぶやくと、自分の席にもどっていきました。

さて、道子と正人、どちらのようにするのがよいのでしょう。

道子・・・0名
正人・・・22名

『道子』を支持する子供は誰もいなくなりました。

実は『道子の話』にはまだ続きがあるのです。それはこの中にあります。

こう言って、紙袋の中から1冊の絵本を取り出します。松谷みよ子さんの書いた『わたしのいもうと』という絵本です。この絵本は実話をもとに書かれています。

こんなお話です。(次号へ)