レストランが7Fにあるのはなぜか。調べてきたことを発表してもらう前に、調べてこなかった子供たちに予想を聞いてみることにしました。
「7Fは景色がいいから、景色を見ながら食べられるように7Fにした。」
「レストランは火を使うから火事になりやすい。1Fにレストランがあって、火事になってしまうと、上の階の人は逃げられない。だから、7Fにあると思う。」
「7Fは買い物客から離れているから静か。静かなところで食事をした方がいいから。」
「でも、ぼくみたいなお客がいたら、静かじゃないよ。」
「そうだな。給食の時の君はすごくにぎやかだからな・・・。」
と私。
「なるほど、なるほど」と頷いてしまう意見が続きました。さて、実際にデパートに聞いてみたという子供たちに発表してもらいます。こんな結果が報告されました。
・日本橋にある三越のレストランが7Fにあったから、それを真似した。(三越)
・7Fは見晴らしがいいから。(三越、伊勢丹)
・食べ物のにおいが他の階に行かないように。(大和)
・下の階で売っている洋服ににおいが染み付かないように。(三越)予想が当たっていた子供たちは「やっぱりな」という顔をしています。
私が調べてみた結果も付け加えて子供たちに話しました。それは「シャワー効果」と言われるものです。
お客を一端、上の階まで引き上げておくことにより、下の階でも買い物をしてもらい、売り上げアップをねらっているわけです。特売、バーゲン、その他催し物を最上階に近いところに設けるのもそのためです。そして金曜日。
女物の方が男物よりも多いのはなぜか。
女物の方が下の階にあるのなぜか。この二つの?(ハテナ)について考えました。
確かに、売り場面積を見ると女性物が男性物を圧倒しています。2:1から3:1くらいの割合です。
予想をノートに書かせた後、発表です。おもしろい予想がたくさん発表されました。
「世の中には女の人の方が多いんだと思う。」
「女のお客さんが多いんだと思う。」
「男の人は昼間仕事をしている人が多いから、デパートに行けないでしょ。女の人は仕事をしていない人も多いから、デパートに行きやすいんだと思う。」
「女の人の方が太った人ややせた人がいて、体型がいろいろだから、たくさんあるんだと思う。」
「女物の方が作りやすいんだと思う。」
「女の人は派手でおしゃれだから。」
「女物は高いから、デパートが儲かるんだと思う。」
この後も、これらの予想に対していくつか反対意見等が出され、話し合いは続きましたがハテナとして残しました。さらに、三つのデパートの売場をよく比べてみると、共通しているのは「食品売場が地下にある」「レストランが7Fにある」「女性物の方が下の階にある」というだけではありません。
どのデパートも下から「食品売場」「化粧品等」「婦人服」「紳士服」「子供服」「家具等」「レストラン」という順になっているのはなぜか。というハテナも生まれてきます。子供たちは調べられるかな?
ここで、おもむろに、デパートのフロア図を横にして掲示しました。下のようにです。そして尋ねます。
こうすると何かに似ているよね。分かるかな?なかなか気付きませんので、フロア図の前に道の絵をかきました。すると、「あっ」と声があがりました。
「商店街!」
そう、デパートを横に倒すと、商店街になる。反対に商店街を縦に並べるとデパートになる。商店街とデパートって似ているね。でも違うところもあるはずだ。次の時間は、商店街とデパートの違いを比べてみよう。こう言って、この時間の学習を終えました。次の社会も楽しくなりそうです。