どちらが生たまごでしょう

さて、授業です。子供たちには教科も何も告げていませんでした。
おもむろに、紙袋の中から二つのたまごを取りだし、子供たちに示します。双方の殻にはマジックでA,Bと書いてあります。

AとB、どちらかが生卵でどちらかがゆで卵です。殻を割らずに、見分ける方法を考えてノートに書きなさい。

5分ほど時間を与えると、子供たちは悩みながらも次のような答えを書いてくれました。

ア 重さを比べる
イ 振ってみて音を聞く
ウ 殻の色を見て比べる
エ 回してみる
オ 立ててみる
カ 手でもって温かさをみる
それぞれの方法の代表者を前に呼び、実際にやってもらいました。そして尋ねます。

では、これを君の頭で割っていい?

「うん!」と自信たっぷりに言う子供もいましたが、ほとんどの子供はそこまでの勇気はありません。

これから、『どちらが生たまごでしょう』という説明文を配ります。これを読むと、見分け方が分かるはずです。段落に番号を振った人から黙読しましょう。

こう言って、プリントを配布しました。右の文章です。
大体の子供が読み終わったところで、全員で1回音読をしました。

どちらが生たまごでしょう

みなさんは、たまごのからをわって、中身を見たことがあるでしょう。
ゆでたまごの白身は、かたまった黄身のまわりに、白くかたまって、からにぴったりくっついていますね。しかし、生たまごの中には、すきとおった、とろとろの白身が、やわらかい黄身をかこんで入っています。このように、ゆでたまごと生たまごでは、中身の様子がちがっています。
では、たまごのからをわらないで、どちらがゆでたまごで、どちらが生たまごかを、見分けることはできないものでしょうか。
まず、ゆでたまごと生たまごを両手の上にのせて、くらべてみましょう。二つのたまごは、色も、形も、重さも、ほとんど同じです。ですから、色や、形や、重さで見分けることはむずかしいようです。
そこで、今度は、両方のたまごを、ぐるぐる回して、ちがいがないかどうかを調べてみましょう。
ゆでたまごを皿の上において、図のように、指で軽く回してみます。すると、小さなわをえがきながら回ります。強く回すと、ゆでたまごは二重の円に見え、やがて、立ち上がって回ります。ちょっとかわったこまのようです。ところが、生たまごを同じように回してみると、どうでしょう。ゆれながら、ゆっくり回るだけです。強く回しても、早く回ることはないのです。
このように、ゆでたまごと生たまごとでは、回り方がはっきりとちがうことがわかりました。
この回り方は、どんなゆでたまごにも、どんな生たまごにもあてはまるでしょうか。もし、あてはまるなら、回してみるだけで、ゆでたまごか、生たまごかを見分けることができるはずです。
そこで、ゆでたまごと生たまごを五つずつ用意して、同じように回してみました。すると、どのゆでたまごも、こまのように速く回りました。また、どの生たまごも、ゆれながら、ゆっくり回りました。
こうして、からをわらないで、回り方のちがいから、ゆでたまごと生たまごを見分けることができました。