どちらが生たまごでしょう(その2)

読み終わった子供たちから、「分かった!」と声が聞こえます。「先生、早くやってみてよ」と催促してくる子供もいます。そうした声を制止しながら、まず尋ねました。

みんなが発表してくれたア〜カの中で、これでは見分けられないと書いてあった方法がありましたね。それはどれですか。

瑞紀さんが「重さと色です」と答えてくれました。
何段落目にそのことが書いてあるのかを確認してから、次のようにいいました。

そうだね。四段落目に「二つのたまごは、色も、形も、重さも、ほとんど同じです。ですから、色や、形や、重さで見分けることはむずかしいようです。」と書いてあります。
では、この文章では次にどうやって調べていますか。

「回してみる」と口々にいいます。
ここで初めて、二つのたまごを実際に回してみました。
本文にあるように、『立ち上がって回る』というところまではいきませんでしたが、明らかに一方の卵の方がくるくるとよく回ります。すると、よく回るAの方が「ゆで卵」ということができそうです。

これでやめてもいいのに、本文ではもう一つ実験をしていますね。

「ゆでたまごと生たまごを五つずつ用意して、回してみる」と徹也くんが答えます。

さっきの実験で分かったのに、どうしてこんなことをしたのでしょう。

祐太くんが答えます。
「その卵だけでは他の卵も同じかどうか分からないから。」

そうです。だから五つずつ用意して、同じように回してみたのですね。このクラスには班が五つあります。これから、各班に生卵とゆで卵を一つずつ配りますから、本文にあるように実験してみてごらん。決まったら、班の代表者に頭で割っていただこう。もし、それが生卵だったら、黄身だらけの頭でソラシド集会だ。

「え〜」と声があがりましたが、既に自信をもっている子供もいるようです。
各班とも、実験を開始。すべての班が見分けたところで、「ゆで卵だ」と判断した方を班の代表者に持たせました。すべての班がAと書いてある方を持っています。

全部の班がAですね。もし当たっていたら、みんなでゆで卵を食べます。はずれていたら、代表の人の頭は黄身だらけです。では、割りますよ。せーの!

パリ・・・。
幸いにも全員正解。黄身だらけになることなく、みんなでおいしくゆで卵をいただきました。

説明文を読む目的は、大抵の場合、そこに書かれている情報を得るためです。薬の説明書を読むのは「正しい服薬法」を知るためですし、電化製品の説明書を読むのは「正しい使用法」を知るためです。
しかし、これまでの説明文の学習では「なぜ、その文章を読むのか」という読む目的が曖昧でした。ただ、教科書にあるから読むという場合がほとんどだったのです。
これからは目的をもって読むということが大切になってきます。今回は「どうやって生卵とゆで卵を見分けるのか」という目的をもたせるために、あのような演出をしてみました。いかがだったでしょうか。