計算ができなければ算数はできない

やっぱり基本計算の習熟は大切です。かけ算に取り組んでいる子供たちの姿を見て、改めてそう思いました。
基本計算とは「5+8」「12−5」「7×4」といった、1,2年生で学習するような計算のことです。
前々号でお伝えしたとおり、今子供たちは「二桁×二桁」のかけ算を学習しています。
筆算による計算方法は全員が理解することができました。ところがです。全員が正答を出せるかというと、そうではないのです。つまり、「わかった」けれども「できない」という状態の子供がいるわけです。
何が原因か。はっきりしています。基本計算の習熟が不十分なのです。7×4=?とか5+8=?などと尋ねられたときに、1秒程度で正しい答えが言えれば問題ないのですが、5秒も6秒も時間がかかってしまったり、誤答してしまったりすると、これは大きな問題となります。
試しに、今子供たちが学習している計算問題の中から「87×65」の計算を例にとって考えてみましょう。
この計算を筆算でやると次のようになります(略)。

正答は5655です。この正答を導き出すまでに、何回の基本計算が必要となるでしょう。数えてみてください。

(1)  5×7
(2)  5×8
(3) 40+3
(4)  6×7
(5)  6×8
(6) 48+4
(7)  5+0
(8)  3+2
(9)  4+2
(10)  0+5

上の計算を一つのまちがいもなく積み重ねていかなければ5655という正答を出すことはできません。
やりかたは「わかっている」けれども「できない」という子供は上の計算のどこかが間違えているのです。しかも、どこが間違えているのかを自分で見直すのは大変です。
また、時間も大きな問題となります。基本計算1つに5,6秒もかかっているようだと5655という正答を出すまでに1分近くかかってしまうことになります。1問1秒でできれば10秒ほどで正答が導かれます。その差50秒です。
通常、計算ドリルには20問の問題があります。1つ10秒ほどでできればノートに書く時間を含めても5分程度で終わります。ところが、1つ1分だと書く時間も含めて30分くらいかかってしまうのです。ますます苦手意識をもち、算数が嫌いになっていきます。
4年生になると、三桁,四桁のわり算も出てきます。わり算は加減乗除すべてを駆使しないと答えを出すことはできません。子供たちにとって、今学習しているかけ算以上に手強いものとなります。

・計算ができれば算数ができるとは言えないが、計算ができなければ算数はできない。
・「分かること」と「できること」は違う。

この二つを念頭に、3年生の残り二ヶ月、鍛えに鍛えていきたいと思っています。お家でも一言励ましの言葉を!