NO.2(1999/4/5)

四月五日(月)

今日から四年生です。
今日から上学年です。
今、みんなの前には真っ白いページが開かれています。
二十二名で新しい物語をつくっていくのです。
どんな物語になるのでしょうか。
それはだれもしりません。
だから、わたしはとても楽しみです。
きっとすてきな物語ができあがるはずです。
みんなですてきな物語をつくっていきましょう。

今日の座席は名簿順です。
下の座席に座りましょう。

昨日、子供たちが教室に入る前にこっそりと黒板に上の文章を拡大プリントして掲示しておきました。チョークで書いてしまうと、筆跡で担任が私であることがばれてしまうと思ったからです。
子供たちはどんな思いでこの文章を読んだのでしょうか。(後で、教室で聞いてみたところ、この文章から担任は渋谷であると予想した子供も数名いました。)
始業式。まだ3年生のかげを引きずりながら、子供たちは並んでいます。どうも落ち着かない様子です。
いよいよ校長先生からの担任発表。
「4年生、渋谷先生」
笑顔で喜んでくれた子供、渋い表情の子供。子供たちの反応は悲喜交々(??)でした。

始業式も終わり子供たちが待つ教室へと向かいます。
「おはようございます!」
私が挨拶をしながら、教室に入ると私以上に元気な声で、
「おはようございます!」
と声が返ってきました。新年度、張り切っている子供たちの様子がこれだけで伝わってきました。

渋谷先生が担任で、喜んでくれている人も、「またかぁ」とがっかりしている人もいるでしょうが、先生は君たちと一年間が過ごせることになって、とてもうれしいです。黒板にはっておいたように、みんなで新しい物語を創っていきましょう。
ところで、みなさんは、これから創っていく物語を楽しい物語にしたいですか、悲しい物語にしたいですか。
(当然、全員が「楽しい」方に挙手しました)
そうですよね。楽しい物語にしていくために絶対に忘れてはいけない大切なことが一つだけあります。それは「差別をしない」ということです。「差別」って聞いたことありますか。
(言葉は聞いたことがあるけれど、意味は知らないという子供がほとんどでした)
「差別」というのは、自分とちがうものを馬鹿にすることです。自分以外の21名の友達を見てごらん。自分と同じ顔の人がいますか。絶対にいませんよね。あなた方はそれぞれ一人しかいないのです。だれともちがうのです。大きい人もいれば、小さい人もいる。髪の長い人もいれば、短い人もいる。同じ人間など一人としていないのです。差別をせず、お互いの違いを大切にしていけば、きっと楽しい物語が創っていけるはずですよ。

この日、学級で使える時間は45分。日程を説明したり、教科書やプリントを配布したりと慌ただしい中、限られた5分ほどの時間で、上のような話をしました。
子供たちは真剣に聞いてくれていました。物語の第1ページが、昨日始まりました。