NO.15

(前号より)
月の光が、木の葉にはんしゃして動物園じゅう黄色い光であふれています。
ライオンは、目がさめ、ほえようとしました。
「ギャオーッ。」
今度は、ギャオーッになってしまいました。
クロヒョウも目がさめ、こう言いました。
「ライオンさん、今度はギャオーッになったのかい。朝になったらもどると思うからねなよ。」
すると、
「ワオ〜ンでござる。」
という大きな声が聞こえました。
ライオンとクロヒョウがそちらへふり向くとオオカミがいました。オオカミはこう言いました。
「こんばんはでござる。ライオンさん、今度はギャオーッになったでござるか。」
ライオンはこくんとうなずきました。
係員の人がごはんを持ってきてくれました。ガツガツと食べてまたねました。
朝になりました。三匹は起きました。ライオンはためしにほえてみると。
「ガオーッ。」
もとどおりになりました。
次はクロヒョウです。
「ラオーッ。」
クロヒョウはガックリしました。
「ライオンさん、きのうのせいで声がへんになったよ。」
ライオンは言いました。
「すまないな。今日はいつも通りわしがほえよう。うがいをすればきっと治りますじゃ。」
次の日、クロヒョウの声はもどりました。
めでたしめでたし。


ライオンは、ガラガラうがいをしていました。それは、明日クロヒョウにほえさせないようにするためです。ライオンはうがいを20回以上しました。
「ようし、明日はライオンがガオーッとほえるぞ。」
そして次の日、ライオンは起きあがりました。ライオンは、あいうえおを三回言ってみました。
「あいうえお、あいうえお、あいうえお」
なんと、あいうえおが三回言えました。次はガオーッを三回言ってみました。
「ガオーッ、ガオーッ、ガオーッ。」
見事言えるようになりました。ライオンはクロヒョウに聞かせました。クロヒョウははくしゅをしてくれました。クロヒョウは、こんなことを言いました。
「こんなにほえるようになったから、今度はおれじゃなくてライオンさんがほえてくれよ。」
ライオンとクロヒョウはにこにこしました。
そして、いよいよ開園時間になりました。まず最初はようちえんの子どもがライオンのおりのところに来ました。ライオンはさっそくおりの中でほえ始めました。
「ガオーッ、ガオーッ、ガオーッ。」
子どもたちはとてもうれしそうでした。
「この前来たときは、おりの中でぐったりしていたけれど、今日はいっぱいほえてくれたね。」
と、ようちえんの子どもたちが言いました。
クロヒョウもにこにこしてくれました。だけど、クロヒョウはほえませんでした。なぜなら、きのうクロヒョウが、
「今日だけだぜ。」
と言ってやくそくをしたからです。
だけど、ライオンはまたサービスをしすぎました。
そして、どんどん団体の組が来ました。ライオンは、
「ガオーッ。ガオガオガオ、ガオーッ。」
と一日中ほえ続けました。
そして、開園時間がやってきました。ライオンは一日中ほえたので、またうがいを20回以上やりました。
ライオンのうがいが終わると、おりのとなりでクロヒョウが言いました。
「ライオンさん、声が治ってよかったな。これからもいっぱいほえて、いっぱいうがをしてよなぁ。あと、なるべくおれにはほえさせないようにしてよな。」
と言いました。
ライオンとクロヒョウは、前よりとてもなかよくなりました。いつまでも、なかよしでいられるといいですね。ライオンは、
「明日も団体の組が来てくれるといいなー。」
とおねがいごとをしました。
ライオンは、明日も一日中ほえ続けるようにどりょくをしています。
お・し・ま・い