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文章には文種というものがあります。文の種類です。いろいろな分け方があるのでしょうが、私は子供たちが書く作文を粗く次のように分類して考えています。

A 学習作文
・学習感想文
・学習記録文
・学習意見文

A,Bは書く内容が「学習」か「生活」かというテーマの問題ですので、文種としては「感想文」「記録文」「意見文」の三つということになります。
この三つは何が違うのでしょうか。子供には次のように話しました。

感想文・・・主に心の働き(思い)を書いたもの。
記録文・・・主に事実を書いたもの。
意見文・・・主に頭の働き(考え)を書いたもの。
かなりいい加減な定義ではありますが、子供には伝わります。
どのような文種の文章を書くのかによって、書く内容も書き方も変わってきます。
これまで子供たちが書いてきた文章のほとんどは感想文といってもいいでしょう。
「さあ、運動会の作文を書いてみよう。」
「さあ、遠足の作文を書いてみよう。」
そう言われて、書く作文は「感想文」になります。
今回、子供たちに学んでほしいのは「記録文」の書き方です。今まで書いたことのない文種ですから、いきなり書けと言っても書けるはずがありません。
そこで、教科書に掲載されている「せいそう工場の見学」という例文を分析することにしました。
一読した後、次のような指示を出します。

クーピーを出しなさい。これから、この作文のすべての文に線を引いていきます。「事実を書いた文」は赤、「頭の働きで書いた文」は青、「心の働きで書いた文」には黄色で線を引いていくのです。
先生が一文ずつ読んでいきますから、自分が「これだ!」と思う色のクーピーを上にあげなさい。

一文ずつ全員で色を確認し、すべての文に線を引いていきました。
そして、言います。

線を引いて、気付いたことをノートに書きなさい。

・ほとんどの文が赤い線。
・黄色はほとんどない。
・最後の段落はほとんどが青い線。

このことから、次のような記録文の性格が明らかになります。

@ 記録文は(目で見、耳で聞いた)事実を書いた文が中心になる。
A 「思い」はあまり書かない。
A まとめの段落では、自分の「考え」を書く。

これだけで、子供たちが今まで書いてきた文章(感想文)との違いが浮き彫りになります。感想文では「思い」を書いた文がその中心となるからです。

人間の記憶力はそれほど優秀ではありません。遠足の翌日には、見てきた「事実」のほとんどを忘れてしまいます。どうすればいいかな。そう「メモを取る」ことが必要になります。
では、『さえずりの里』ではどんな「事実」をメモしてきたらいいでしょう。

・鳥の名前
・鳥の色
・鳥の形
・鳥の大きさ
・鳥の鳴き声
・鳥のえさ
・鳥の糞

まだまだ様々な観点が出されました。ここまで学べば、『さえずりの里』での取材活動はできるでしょう。
以上が遠足前日の国語の学習です。

紙幅が尽きました。実際に子供たちが書いた「記録文」は次号で紹介します。