NO.59

『一つの花』(今西佑行作)の学習を終えました。
この学習で、子供たちにいちばん考えてほしかったのは、題「一つの花」が象徴するものは何か、ということです。
象徴。4年生には難しい言葉ですね。
広辞苑によると次のように説明されています。

しょう‐ちょう【象徴】
(symboleフランスの訳語。中江兆民の訳書「維氏美学」(1883年刊)に初出。語源であるギリシア語シュンボロンは割符の意)
@ある別のものを指示する目印・記号。
A本来かかわりのない二つのもの(具体的なものと抽象的なもの)を何らかの類似性をもとに関連づける作用。例えば、白色が純潔を、黒色が悲しみを表すなど。シンボル。

鳩は平和の象徴。青い鳥は幸せの象徴。では、この物語の題「一つの花」は何を象徴しているのでしょうか。
この答えを探るため、まず子供たちに問いました。

この物語を二つに分けます。どこで分けますか。教科書に線を引きなさい。

これはほぼ全員が一致。1〜4場面(戦争中)と5場面(戦争後)とに分けるのが妥当でしょう。

1〜4場面と5場面で対比されているものをできるだけたくさん見つけてノートにまとめなさい。

子供たちは、教科書をもう一度真剣に読み直すことになります。
約15分後、次ページ、上のような対比が発表されました。

【1〜4場面】
・戦争のはげしかったころ
・お父さんが出てくる
・ゆみ子が小さいとき
・一輪のコスモス
・「一つだけ」という言葉がたくさん
・おいも、豆、かぼちゃ

【5場面】
・十年の年月が過ぎている(戦争後)
・お父さんは出てこない
・ゆみ子が大きくなった
・たくさんのコスモス
・「一つだけ」という言葉は出てこない
・肉や魚

この中で、いちばん大切な対比はどれですか。ノートに☆をつけなさい。

これも大方の子供たちが一致して「一輪のコスモス」←→「たくさんのコスモス」を選びました。

題の裏にかくされた意味を探るために、コスモスが出てくる部分をもう一度見直してみます。コスモスが出てくる部分に線を引いていきなさい。

子供たちが線を引いた部分を確認しながら、私が黒板に整理していきました。

【1〜4場面(戦争中)】
・たった一輪
・ごみ捨て場のようなところに忘れられたように咲いている
・お父さんだけが見つけた
・一つだけの花
・お父さんが最後にゆみ子にあげたもの
・お父さんがゆみ子に大事にしてほしかったもの
・お父さんが最後まで見つめていたもの
【5場面(戦争後)】
・たくさん
・ゆみ子の家をいっぱいに包んでいる
・コスモスのトンネル

「コスモス」が物語の中でどのような役割を果たしているのかが随分はっきりしました。

題「一つの花」が象徴するものはなんだと思いますか。自分の考えをズバリとノートに書きなさい。

子供たちからは次の6つの考えが発表されました。
「優しさ」「喜び」「幸せ」「平和」「命」「笑い」
以下次号へ