NO.87

ごんぎつね(その6)

1 兵十のうちのうら口から、うちの中へいわしを投げこんで〜
2 そっと物置の方へ回って、その入り口にくりを置いて帰りました。
3 次の日も
4 その次の日も
5 その次の日には、くりばかりでなく、松たけも二、三本、持っていきました。
6 うちの中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるのが、目につきました。

六つのつぐないのうち、ごんの兵十への思いが最も強く表れているのはどれか。

これが、前の時間に残されていた課題でした。理由も含め、自分の考えをノートにまとめてくることが宿題でしたので、ほぼ全員のノートにはそれぞれの考えが書かれています。
早速発表に移りました。1から順に発表してもらいました。
(ノートを棒読みしようとする子供が多かったので、「ノートをチラチラと見るのはいいけれど、ノートを読むのではなく、自分のことばでしゃべりなさい」と指示しながら)

【1】
・自分のせいで、兵十のおっかあが死んだと思ってのつぐないだから。
・これが最初のつぐないだから。
・2〜6は、段々ごんの思いは小さくなっていると思う。
・うなぎと同じ魚で返したから。
【2】
・ほっぺたの傷を見てかわいそうと思ったから。
【3】支持者なし
【4】
・「その次の日も」というところで、毎日持っていっていることが分かるから。
【5】
・一回だけでいいのに、毎日持っていっているから。
・栗だけでなく、(高級な)松茸まで持っていっているから。
【6】
・「おれは引き合わないなぁ」と言っているのに、次の日もまた持っていっているから。

以上が、最初に出された子供たちの意見です。

さあ、今度は反論です。今出された意見に反論を言い合いましょう。「指名なし発言」です。

まず一人がスッと立って話し合いの始まりです。

「1の人に反論します。『2〜6は思いが小さくなっている』と言うけど、どこにもそんなことは書いていないし、それを表すような言葉もありません。」
「2に反論です。『ほっぺたの傷を見てかわいそうと思った』と言うけど、うなぎのつぐないとは関係ないと思います。」
「4の人に反論です。『毎日持っていっている』というけれど、それは、3でも5でも言えることだから、4の理由にはならないと思います。」
「5の人は『松茸が高級だ』というけれど、高級かどうかは関係ないと思います。」
「6に反論です。『引き合わない』と言っているのだから、思いは強くないんじゃないですか。」

それぞれについて反論が出されましたが、どれも今ひとつ弱い。それは、当然着目しなければならない言葉を根拠としていないからです。しかし、このまま話し合いを続けていても、気づきそうにありません。多少強引にはなりますが、私が出ることにしました。

1だという人、立ちなさい。君たちに質問です。1のつぐないを読んでごらん。

「兵十のうちのうら口から、うちの中へいわしを投げこんで〜」

2のつぐないも読んでごらん。

「そっと物置の方へ回って、その入り口にくりを置いて帰りました。」

そうですね。1は盗んだ鰯を投げ込んでいるのです。2は自分でとった栗をそっと置いて帰ったのです。どちらのつぐないに心がこもっていますか。

「あっ、2だ!」という声。本当は、こういうところに着目して欲しかったのですが、ちょっと難しかったのかな。
しかし、ここからはトントン拍子。こんな発言が出ました。
「2は、ただ栗を置いて帰っているけど、6では固めて置いてあります。だから、6がいちばん思いは強いと思います。」
これで全員納得です。

つぐないを重ねるに従って、ごんの兵十への思いは強くなっている

こうまとめて授業を終えました。う〜ん、やっぱりちょっと強引だったか・・・。