NO.88

ごんぎつね(その7)

6回にわたってお伝えしてきた『ごんぎつね』の学習もいよいよ最後の時間となりました。

つぐないを重ねるに従って、ごんの兵十への思いは強くなっている

上は、前の時間に明らかになったことです。

それに対して、兵十はどうだったのかを考えてみましょう。
6場面のはじめでは兵十はまだごんを憎んでいますね。兵十がごんを憎んでいることが分かる一文字を○で囲みなさい。

とんちんかんな文字を囲んでいる子供が4名いましたが、ほとんどの子供たちはその一文字を見つけてきました。次の文の中にある「め」です。
『こないだ、うなぎをぬすみやがったあのごんぎつねめが、またいたずらをしにきたな。』

兵十の心はずっとこのままですか。このままだという人はノートに○、変わっているという人はノートに×。

全員が×をつけます。まあ、当然でしょう。次が本題です。

兵十の心が変わったのはどこですか。教科書に短く線を引きなさい。

(もし、お時間がありましたら、この先を読む前にみなさんも考えてみてください。)
子供たちが線を引いたのは次の3か所でした。

A うちの中を見ると、土間にくりが固めて置いてあるが、目につきました。(2名)
B 「おや。」
と、兵十はびっくりして、ごんに目を落としました。(10名)
C 「ごん、おまいだったのか、いつも、くりをくれたのは。」(8名)

「Aだと思います。土間に固めて置いてあるくりを見て兵十は『ごんだったのか』と分かったのだと思います。」
「Bだと思います。ここで初めてごんを見ているからです。」
ここで、私が入ります。

兵十が最初に見たのは何ですか。(「うちの中」という声)
そう、「うちの中」です。きっと、何かいたずらされていないかなと思ってみたのでしょう。
では、次に見たのは何ですか。(「くり」という声)
今度はくりです。うちの中を見たら、くりが目についたのです。兵十はごんなど見ていません。

これでAはなくなりました。Bを支持する子供が12名、Cを支持する子供が8名です。
更に話し合いは続きます。
「Bに『びっくりして』と書いてあります。だから、ここで兵十はくりを持ってきてくれたのがごんだと分かったと思います。」
「それに反論です。ごんはくりにびっくりしただけで、ごんがやったとはまだ分かっていません。」
「でも、Bに『ごんに目を落としました』と書いてあります。」
この時間のポイントは次の発言でした。○○君です。
「Cを見てください。ここで兵十は『ごん、おまいだったのか、』と聞いています。聞いているということは、まだ分かっていないということです。」

そうか、ここは『ごん、おまいだったのか!』ではなく『ごん、おまいだったのか?』だというのですね。

「そうです。だって、その後に『ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました』と書いてあります。聞かれなかったらうなずかないとおもいます。」
ここで、○○さんが発言しました。
「Bだと思っていたのだけれど、違うところに変えます。」
○○さんが言う「違うところ」とは次の箇所です。

D 兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。

「ごんがうなずいたのを見て、火なわじゅうを取り落としているから、ここで分かったのだと思います。」
Dを支持する説得力のある根拠が二つも出てきたことになります。B,Cを支持するのであれば、次の二つの問いに答えなくてはなりません。

「兵十は分かっていたのだけれど、念のために確認したのだと思う。」という反論が一つ出されましたが、それ以外は出ませんでした。(次号へ)