『やまなし』(その2)

『やまなし』2時間目の学習です。

前書き
一枚目の幻灯(五月)
二枚目の幻灯(十二月)
後書き

物語『やまなし』が上の四つのまとまりでできていることを確認した後、物語の舞台を検討させました。

物語の舞台である谷川の深さはどのくらいなのですか。

「15cmくらい」という子から「5m以上」という子まで、子供たちがもっているイメージはかなりバラバラです。1m程度と考えている子供が最も多いようです。討論開始です。

「『青く暗く鋼のように見えます』とあるから、太陽の光が届かないくらい、深いのだと思います。」
「反対です。p.69に『日光の黄金は、夢のように水の中に降ってきました』とあります。そんなに深くはないと思います。」
「『あわや小さなごみからは、まっすぐなかげの棒が、ななめに水の中に並んで立ちました』とあります。かげが立つくらいの深さのはずです。」
「前書きに『小さな谷川』と書いてあります。5mもの深さの川は小さな谷川ではありません。」
「かにの兄弟はかわせみのくちばしを見ています。5mもの深さがあったら、川に飛び込んできたかわせみのくちばしは見えないと思います。」
「『十二月』では、水の底まで月光が届いています。浅いはずです。」
「ぼくは『トブン』というやまなしの落ちてきた音で、深いように感じました。」
「ぼくは反対です。そんなに深かったら、落ちてきた『やまなし』は見えないと思います。」
「それに、においまで届いています。」

「それほど深くはない」という意見に収束してきました。そこで、次のように指示しました。

「かわせみ」ってどれくらいの大きさの鳥なのですか。手で表してごらんなさい。

カラスのような大きさを作っている子供から、スズメ程度の大きさまで、これもまたバラバラです。

では、「やまなし」はどのくらいの大きさなのですか。手で円を作ってごらんなさい。

これまたバラバラ。いちばん大きい円はスイカ大。いちばん小さい円はサクランボ大です。

辞書で調べ始める子供も出始めました。さらに図書館から、鳥類図鑑と植物図鑑も持ち込まれました。辞書と図鑑によって次のことが分かりました。

・かわせみのくちばしは8cm程度であること。
・やまなしは直径2cm程度の小さな果実であること。

物語の舞台である谷川の深さはせいぜい20〜30cm程度と考えるのが妥当です。『やまなし』に描かれている二枚の幻灯は、そんな小さな小さな世界のお話なのです。

※ 本授業は、野口芳宏氏の実践を修正追試したものです。