『やまなし』(その3)

二つのものの違いを比べることを「対比する」と言います。二枚の幻灯を対比します。見つけた違いをできるだけたくさんノートに書いてごらんなさい。

再度文章を読み直さなければできない課題です。子供たちは、教科書を丹念に読みながら、いくつもの違いをノートに書いていました。子供たちから発表された対比は次の通りです。

「五月」
「十二月」
・クラムボン
・かには小さい
・初夏
・かばの花
・かげの棒
・かわせみ
・朝
・日光の黄金
・白い岩
・かには仲良し
・まっすぐなかげ
・魚
・イサド
・よほど大きくなり
・初冬
・やまなし
・かげ法師
・やまなし
・夜
・月光のにじ
・金雲母
・かにはけんか
・円いかげ
・やまなし

このように対比的に見ると、『やまなし』に描かれている二枚の幻灯の違いが徐々に浮き彫りになってきます。

この物語で「この対比がいちばん重要」と思う対比を一つだけ選びなさい。

「ぼくは、『初夏と初冬』だと考えます。なぜなら、この物語では、季節が重要だと考えるからです。」
「ぼくもそう思います。理由の一つ目は、かにの『かわせみ』へのトラウマが表現されていると思うからです。『五月』から『十二月』へは月日が経っているのに、『かわせみ』へのトラウマは治っていません。そのトラウマが『やまなし』の登場を際だてていると思います。二つ目の理由は、『やまなし』の季節を出すためです。『やまなし』を出すためには、『初夏と初冬』という季節の佐賀必要だったのだと思います。」
「私は、『日光の黄金と月光のにじ』だと考えます。光についての表現が何度も出てきているからです。」
「ぼくは、『かわせみとやまなし』だと考えます。なぜなら、『やまなし』が題名になっているからです。『やまなし』と対比されているものはまだあるけれど、『魚』とか『かばの花』と比べると、『かわせみ』の登場がいちばん印象的だからです。」
「ぼくも賛成です。『十二月』で、かにの子供が『やまなし』を『かわせみ』と間違えたからです。さらに、この物語ではかにの子供に恐怖を与えた『かわせみ』が印象強くて、物語の題は『やまなし』だからです。」

このような話し合いの後、再度問うたところ、大方の子供が『かわせみとやまなしの対比が最も重要だ』と考えるようになりました。

では、『やまなし』と『かわせみ』の対比をもっと具体的に見ていきましょう。『やまなし』と『かわせみ』を対比すると何が違うのですか。

ノートに書かせ、発表させます。子供たちからは、次のような違いが発表されました。

「かわせみ」
「やまなし」
・鳥
・動物
・飛べる
・恐怖を与えた
・朝に登場
・魚をとっていった
・鉄砲玉のように
・コンパスのように黒くとがっている
・木の実
・植物
・飛べない
・恵みを与えた
・夜に登場
・におい、お酒を与えた
・トブン
・黒い丸い大きなもの

二枚の幻灯を対比してみてみると、違いがよく分かりますね。では、「五月」と「十二月」の二枚の幻灯にはどのような世界が描かれているのでしょう。自分の言葉でノートに書いてごらんなさい。

ここで授業終了。さあ、子供たちは二枚の幻灯に描かれている世界をどのように表現してくれるのでしょうか。