読書感想文(その2)

1 自分が感想文を書こうと決めた本の中から、心に残ったページ(場面)を三つ選ぶ。
2 その三つの場面によく似た自分の体験、あるいはまったく逆の体験をノートに箇条書きする。
3 それぞれの場面について、次の順で原稿用紙に書いていく。
(1) 自分の体験
(2) 選んだ場面の引用
(3) 体験と引用部分をつないだ感想や考え

前々号でお伝えした、読書感想文ができるまでの手順です。
予告したとおり、子供たちが書いた読書感想文を三編紹介いたします。町のコンクールに出品した作品です。

『大切なこと』
京香

「死ねば。」
「死んだ方がいいんじゃない。」
こんな言葉を言ったり言われたりしたことがある。言われたときは、いやだなあと思う。でも、自分が言ったときは、深く考えもせずに言ってしまっているのだ。
『電池が切れるまで』は院内学級に通う子供たちが書いた詩を集めた詩集である。院内学級の子供たちが、身近にあったことや思ったことを詩にしているのだ。
「命がないと人間は生きられない
でも『命なんかいらない。』
と言って
命をむだにする人もいる」
院内学級四年生の由貴奈さんの書いた詩の一部だ。由貴奈さんの言うように、大人の中には自殺してしまう人たちがたくさんいる。とても残念なことだ。しかし、よく考えたら私たちも同じだ。「死ね」などという言葉を軽々しく言ってしまっているからだ。これでは「命なんかいらない」と言っているようなものだ。
命を落としたくなくても、病気で落としてしまう人もいる。それなのに、私たちはちょっとしてことで「死ね」と言ってしまう。自殺してしまう。由貴奈さんの言葉をかみしめ、こんな言葉を言わないように気をつけ、命をむだにしないようにしたい。
私の父は、一年前、リハビリをするために病院にいた。父の外泊許可が出るたび、私は楽しみにしていた。
「おうちに帰ったら何を食べよう、何して遊ぼうか・・・。」
私には「外泊」という詩を書いた、さとうゆきさんの気持ちがよく分かる。私の父も似たようなことを言っていた。
「家に帰ったら、何すっかな・・・病院では食べられないおいしいもの食べたいなあ。」
ゆきさんの詩を読んだとき、やっぱり病院にいるとつらいのだなあ。病院から出て外泊したときのゆきさんの気持ちや父の気持ちが伝わってきた。
私には四年生の時に転校していった友達がいる。その友達が転校していく日、やっぱりさみしかった。いつもいっしょに遊んでいたのに、遠くへ行ってしまうからだ。でも、友達は言ってくれた。
「いつかまた会いに来るよ。約束するよ。」
とてもうれしかった。私はその言葉を信じて待っていた。そして、本当に再会することができた。
「でもまた会える日をまっていれば
いつかやってくる。
その日が一日でも早くくるといいな。」
この詩を書いた礼さんも、友達と会えたのかな。もし、会えていなかったとしても、詩に書いたことを信じていれば、いつかきっと会えるのだと思う。私も今、その友達とまた会える日を待っている。
『電池が切れるまで』の中には、まだまだたくさんのすてきな詩がある。ぜひ、大勢の人たちに読んでほしい本だ。
「命」「苦しい人の気持ち」「友達」・・・。私はこの本に出会うことで、本当に大切なことを考えることができた。

京香さんが選んだ三つの詩、そして三つの詩への共感を呼んだ京香さん自身の三つの体験が実によく結びついています。「命」「苦しい人の気持ち」「友達」。京香さんがこの三つの『大切なこと』を考えることができたのは、京香さん自身が「やさしさ」をもっているからでしょう。そうでなければ、三つの詩に共感することもなかったはずです。