あくしゅ大作戦

《事例1》
 ある日のこと。
「先生、知らない子がぼくのことたたいたよ」
休み時間、体育館での話です。
「えっ、どの子?」
と私。
「顔は見たことあるけど、分かんない」
とその子。
「1年生じゃないの?」
「うーん、1年生かもしれない」
「まだ体育館にいる?」
「あっ、いた。あの子」
見ると、何と我がクラスの子供です。その子は、自分のクラスの友達を知らなかったのです。

《事例2》
 A子と私が遊んでいました。そこへ、別の子が
「先生!」
と私を呼びながら、近づいてきました。A子曰く、
「先生、あの子だあれ?」
同じクラスの子供です。

 さて、今日、こんな授業をしてみました。社会科の時間です。

 この組には、何人の子供がいるか知っている人?

 これはほとんどの子が知っていたようです。元気よく
「30人!」
という声が返ってきました。

 じゃあ、30人の名前を全部言える人?

7名です。あとの23名は名前を知らない子がいるということです。私は事例1,2で経験していましたので、まあそんなものだろうと思っていましたが・・・。
 そこで、こう問いかけてみました。

 どうしたら、覚えられるかな?

「自己紹介をする!」
難しい言葉を知っているものですねえ。保育所でやったことがあるのでしょうか。

 先生は、作戦を考えました。

 こう言って、「あくしゅだいさくせん」と黒板に書きました。

 こんなふうにしてやります。
1 ぼくは(わたしは)〜です。(自分の名前を言う)
2 あくしゅしてください。
3 サインしてください。

 上のように説明して、黒板にも書きました。ここまで説明したところで、和美さんが
 「私、いい方法考えた。握手してからチュすればいい」
と発言。1年生らしい考え方ですね。
 前に座っている裕介くんと千春さんに1〜3を実際にやってもらい、みんながやり方を理解したところで、あくしゅ大作戦は始まりました。
 ただ、次の順番で作戦を展開するように指示しました。

1 隣りの人
2 知らない人
3 知っている人
4 先生

 このクラスは恥ずかしがり屋の子が多いようで、最初はなかなか言い出せないようすでしたが、しばらくするうちにやっと乗ってきたようです。あくしゅ大作戦は2時間続きました。2時間続けても全員からサインをもらい、私のサインまでたどり着いた子は3人でしたが・・・。

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